『 恋の刺繍をその胸に ～勝気なお針子は豪奢な船に誘われて～ / 水戸けい 』 ハニー文庫

【あらすじ】
港町ルーブレ特産の刺繍を得意とするお針子のナターニア。
いつか旅に出て、腕一本で世の中を渡っていきたいと夢見ていたある日、荒くれ者に絡まれている青年ニコラを助けたところ、いきなり情熱的なキスをされてしまう！
最悪の出会いだったのに、彼にはなぜか自分の身の上や夢を話してしまって…。
一方ナターニアを生涯の伴侶と見定めたニコラは、悪徳雇い主から彼女を解放すべく大作戦を開始する！

恋の刺繍をその胸に ~勝気なお針子は豪奢な船に誘われて~ (ハニー文庫)

【感想】
幼い頃に人買いに売られ、服飾品店に買い取られたお針子ヒロイン×大手商会の代表ヒーロー。

いつか旅に出て世界を見たいと夢を抱くヒロイン、船乗りに絡まれているヒーローを助けたところ、勘違いからキスをされてしまう。
そこから(何故か)生まれる恋と愛。

自立心や好奇心旺盛だが無知から搾取され続けているヒロインが、ヒーローと出会ったことで夢へと飛び立てたのは良かったと思う。
ただヒーローに惹かれた過程が、手慣れたイケメンに初心な娘が丸め込まれてるように見えなくもなくて、ちょっと心配。
まぁ、いまは狭い世界しか知らない彼女が外の世界を知って、ヒーローを尻に敷きながらどんどん成長していくんだろうな……とは思うけども。
きっと金貨200枚も“ヒーローへの借金”と認識して、刺繍の腕ですぐに返しそう。
商会の代表でなく海賊ヒーローでも対等に渡り合えそうな勝気なヒロインさんでした。