日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 冷徹侯爵の不器用な求愛 / 北山すずな 』 ヴァニラ文庫

【あらすじ】
天涯孤独になってしまった元令嬢のコーネリアスは、侯爵であるヴィクトルが大切にしている犬を助けたことで、彼の屋敷で暮らすことに。
「きみの全てに溺れている」
冷酷と評されるヴィクトルだったが甘く口づけながら一途な想いをぶつけてくる。
互いの孤独を埋めるように惹かれ合うが、コーネリアスには想いに応えられない理由があって……。


冷徹侯爵の不器用な求愛 (ヴァニラ文庫)

冷徹侯爵の不器用な求愛 (ヴァニラ文庫)


【感想】
冤罪で失意のうちに亡くなった父母を想い、日々涙に暮れる元伯爵令嬢×兄の忘れ形見である犬を介し、ヒロインを屋敷に招いた若き侯爵。

キリスト教に似た宗教が信仰されている国が舞台。
信心深かった父に異教徒の疑いをかけられ、爵位も屋敷も財産も全てを失ったヒロイン一家。
その後、母を亡くし父も亡くなり、一人ぼっちになったヒロインは1匹の犬を拾う。

我が家が宗教に無頓着なのもあって、作中の敬虔な信徒たちの心の機微を私が理解出来ているのか……甚だ疑問(笑)。
ヒロインは、職人並のレース編み技術を持つ控えめなお嬢さん。
元々が貴族令嬢なのと、一人になったあともお隣さんが見守っていた事もあって、思慮深そうに見えて少々騙されやすい子であった。
レース編みのように心も繊細そうなので、ヒーローにはしっかりと彼女を守って頂きたい。

悪役令嬢の嫌がらせは可愛らしいもので、その辺は少し物足りなかった。
が、もう一人の悪役の方がメインぽいのでこれぐらいがちょうどいいのかな。
きゅんきゅんの切なさはないけれど、安定したお話だったと思う。