日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 狼殿下と身代わりの黒猫恋妻 / 貫井ひつじ 』 角川ルビー文庫

【あらすじ】
公爵領で働く黒猫のシェインは、ある事が原因で声を失っていたが、使用人仲間と平和に暮らしていた。
だが猫獣人の国の末王子の身代わりの花嫁に仕立て上げられ、狼獣人の国の王弟・ランフォードに嫁入りすることに。
一方、鋭敏な嗅覚で感情まで嗅ぎ分けるランフォードには、シェインの怯えと悲しみが手に取るようにわかり、噂と違う様子に疑問を抱く。
ランフォードはシェインを保護し「君が家に帰れるように尽力する」と約束するが、偽りのない純粋なシェインに惹かれ…?



【感想】
死にかけていたところを拾われ、公爵領の屋敷で下働きとして働く受。
声を失った彼に優しく接してくれる使用人たちを『家族』と思い平和に暮らしていたが、ある日、狼獣人への輿入れを嫌った末王子らに拉致され身代わりとして隣国へ送られてしまい……。

狼獣人国の王弟×猫獣人国の使用人。

すごく良かった!
『家族』を盾に取られ、見知らぬ土地へ放り込まれた怯える受の不憫さと、狼獣人の中でも格別に鼻が利く=人の感情まで匂いで読み取る攻の包容力(受限定)がたまらない。
話すことが出来なくても、「怖い」「悲しい」「辛い」「寂しい」と匂いで訴える受に庇護欲を刺激されまくりの攻。
初対面から抱っこ。
不器用にナデナデ。
本人には知らせず「俺のものだ」と周囲へ威嚇の匂いづけ……等々。
不憫受も溺愛攻も好物なので、最後まで楽しく読めた。

短絡的な末王子のクズっぷりが凄かったけど、国で相応な罰を与えられて欲しいと思う。
あと、逆恨み対策もしっかりして欲しいわ。

ラストの〆もすごく好みで、私も一緒に涙ぐんじゃったよ。
受の『家族』は本当に優しくていい人たちばかりだったね。
まだ時間はかかるかもしれないけど、受が攻の名前を呼ぶ日が近いと思わせるあのシーンも好き。

イラストも含め、大満足の1冊でした(*´ω`*)