日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 虐げられて追い出された私、実は最強の聖女でした ~聖獣と冥王と旅に出るので、家には戻りません~ / ベキオ 』 ベリーズファンタジー

【あらすじ】
不義の子と家族から虐げられ、地下室に幽閉されて育った令嬢・ツェツィーリア。
ある日継母に家を追い出されてしまうが、「ようやく自由を手にした!」とツェツィーリアは喜び勇んで聖獣と一緒に旅に出ることに。
マイペースに旅を楽しむツェツィーリアだが、ある出来事をきっかけに聖女としての能力が覚醒!?
ツェツィーリアの人生は華麗なる変貌を遂げ、さらには冥王・ハデスからの寵愛と加護を受けていることまで発覚し…!?
虐げられた令嬢の、逆転痛快異世界ファンタジー



【感想】
不義の子として、3歳から公爵家の地下室に幽閉されていたヒロイン。
12年以上経ち、新たな公爵夫人だという女性に追い出された彼女は、自由を喜び旅に出るが……。
神の花嫁となるべく大切に育てられるはずの聖女ヒロインは、実際は地下室に閉じ込められ、人と接するのは気まぐれに鞭打たれる時だけ。
それでも、夜だけ現れる犬(って言うと怒られる)のセレネと天界のフローラ様のおかげで真っ直ぐに育ってよかった。
ヒロインを虐待した人らには罰を与えて欲しかったんだけどね。
母親はお亡くなりになってるし、そもそも両親にまったく似ていない聖女カラーの子どもが生まれたら、普通の夫婦の間に生まれても問題になりそうよね…。

前半の旅や治療シーンを長々と書いていたせいか、終盤はやや駆け足気味。
特に教会の真実を調査して処断したり、歴史の改竄を明らかにする部分が1ページの説明文で終わってしまい、かなり物足りなかった。

妖精王はしばらく苦しみそうだけど、もうエルフや人間は昔みたいな生き方は出来ないんだろうなぁ。
あんな俗物共じゃなく、マリウスさんみたいな昔ながらのエルフたちがどこかで細々と暮らしてたらいいのにな…と思う。

ちなみにヒロインのお相手のハデス様は、本来の身体での出番はほんのちょびっとなので、彼がヒーローかと言われるとなんとも微妙なところ。
なんせ、本の半分以上はダニかリス姿だし(笑)。
神様姿での活躍も見てみたかったわ。