『 完全版 リップスティック / 井上美珠 』 エタニティ文庫

【あらすじ】
幼馴染への恋が散った日。
彼への思いを残すため、車のドアミラーにキスマークを残した比奈。
その姿を、ちょっと苦手な幼馴染の兄・壱哉に目撃されてしまう。
気まずい思いをしたけれど、帰省しなければ彼と会うことはない。
そう思っていたはずが、壱哉がくれた桜色のリップスティックをきっかけに、二人の運命が動き出して？
「僕は、君に初めて会った時から、君のものだよ」
大人な彼に甘く切なく翻弄されながら、比奈が最後に選び取るただ一つの恋とは―。
書き下ろし番外編を収録した、完全保存版！

完全版リップスティック (エタニティ文庫)

【感想】
塾講師×幼馴染の兄。

幼馴染の結婚式で、彼への気持ちを自覚したヒロイン。
帰り際、幼馴染の車のドアミラーへキスマークを残すところを、彼の兄に見られてしまい……。

いやー、なんというか……。
ヒロインが色々と優柔不断で、もどかしいやらイライラするやら…と見守っていたら、海外転勤後のヒーローにびっくりさせられたわ！
ヒロインと別れて渡米して、その後すぐに現地の女性と結婚しちまうとは……。
(しかもすぐに離婚)
あの時、ぐだぐだ考えて諦める前に「待ってて欲しい」とか「待ってる」とかお互いに相手を繋ぎ止めようとしてれば、自分も他人も傷付けずにすんだかもしれないのにね。

再会後、今度こそじっくり気持ちを確かめあって関係を確かなものにしていくのかな、と思ったら、あっという間に復縁→結婚。
スピード感というか、アップダウンの激しさに、ちょっと振り落とされそうになりながら読了しました。
ヒーローは高学歴高収入、地位もありイケメンで優しいetc...と盛りだくさんだったんだけどなー。
やっぱり、ヒロインに気持ちを残しつつ他の人と結婚しちゃったのがなー。
ヒロインも、なかなか物事を決められないのもアレだけど、それより何度もお酒を飲み過ぎて迷惑な酔っ払いになってるのが……。
健三は健三で、こんなにヒロインと会いまくってて奥さんは内心面白くないんじゃないの？とか、何か色々気になってしかたなかったわ。
(そして影の薄い次男。彼はどんな人だったんだろう)
ストーリーはいいんだけどね、登場人物があんまり好きになれなかったかもしれない。。。

まぁとりあえず、ヒロインはこれからアメリカ式のホームパーティーを自宅でしたり、夫婦で参加する会社のイベント事の立ち居振る舞いを頑張って覚えなきゃね。
偉い人の奥さんになるのも大変だ。

ちなみに、600ページ以上あるので通勤のお供にはなかなか重い本でした。
電車内で片手で読むの大変だった(笑)。