『 捨てられ男爵令嬢は黒騎士様のお気に入り / 水野沙彰 』 アイリスNEO
【あらすじ】
誰もが有するはずの魔力が無い令嬢ソフィア。
両親亡きあと叔父家族から不遇な扱いを受けていたが、ついに従妹に婚約者を奪われ、屋敷からも追い出されてしまう。
行くあてもなく途方にくれていた森の中、強大な魔力と冷徹さで“黒騎士”と恐れられている侯爵ギルバートに拾われて…？
黒騎士様と捨てられ令嬢の溺愛ファンタジー、甘い書き下ろし番外編も収録して書籍化！！
第4回アイリスNEOファンタジー大賞金賞受賞作。
【感想】
両親亡き後、爵位を継いだ叔父一家に全てを奪われ追い出された男爵令嬢×森でヒロインを見つけ、家で保護することになった若き侯爵。
読友さんのレビュー買い。
レビュー通り、叔父一家以外は皆優しくて安心して読めるお話だった。
元婚約者は、裏切ったというよりも、人の言うことを素直に信じちゃうタイプのボンボンだったってことなのかな。
従妹宛と思っていたドレスや破かれた手紙のビジョンから推察すると、ないことないこと吹き込まれて、ヒロインに嫌われて無視される僕を慰めてくれた優しいビアンカ……とか思ってそう。
身体に血液が流れているように、人に魔力が宿っていることが前提の世界。
そんな世界で、魔力が皆無のヒロインと相手の魔力を介して思考や記憶を読み取ってしまうヒーローとが、優しく手を繋いで穏やかに会話をしている光景が好き。
おそらくこの世界に一人しかいないであろう、安心して触れることが出来る女性に巡り逢えて良かったね。
殿下の采配に感謝だわ。
ヒーローがひとりで生きる決意をした過去の出来事や、夜会でヒロイン叔父から読み取った内容、そもそもヒロイン両親は本当に不慮の事故で亡くなったのか……などなど、いくつか気になる点が残ってるんだけど、これって続くのかなぁ？
でも、2人の関係としては綺麗にまとまってるからこれで終わりなのかしら。
特典SSペーパーは、侯爵邸の屋上で夜空を眺める2人の会話。
