日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 処刑エンドからだけど何とか楽しんでやるー! / 福留しゅん 』 レジーナブックス

【あらすじ】
日本で暮らしていた前世を思い出し、自分が乙女ゲームの悪役令嬢であることに気が付いたヴィクトリア。
ところが、時すでに遅く、婚約破棄からの断罪イベントは終了、処刑が決定済みだった!
処刑までは残り三十日。
それまで牢獄で過ごすことに。
せめて最後まで「悪役令嬢」らしく余生を楽しんでやると開き直ったところ、イケボな隣人や、かわいい看守の少年や、マッチョマン神父と仲良くなって…
おまけに、ヴィクトリアを陥れた元婚約者達がなぜか自ら破滅の道を進み始めた!?



【感想】
罪を暴かれ牢へ移送される途中、前世の記憶を思い出したヒロイン。
処刑までの1ヶ月を、顔の見えぬ牢の隣人や可愛らしい看守、囚人に神の教えを説くマッチョ牧師と交流しながら過ごすのだが……。

乙女ゲーム世界の悪役令嬢の記憶と、前世でゲームをプレイした日本人大学生の記憶が入り交じり、ひとつに統合して出来上がったのが本作の主人公。
断罪イベントで様々な罪が暴かれるのだが、その中には実際にヒロインが犯した罪がいくつもあるのが悪役令嬢ものでは珍しいかな。
ヒロイン自身、自分が行った悪行の数々を反省も悔いてもいないのが、いっそ清々しい。
でもゲームヒロインを暴漢に襲わせるのはやっぱりアカンと思うのよ、人間として。
ヒロインを好きになれないのは、その辺がネックになってるのかなぁ…。

牢の隣人の正体や看守くんの秘密など、要素としては面白かったのだが最後はゲームヒロインに全て持っていかれた感が…。
やだわー、この子怖いわー。
今頃は監禁生活を満喫してるんだろうな……。