『 下僕の執愛 / 桜井さくや 』 ソーニャ文庫
【あらすじ】
公女ステラは、生真面目で優しい従者のルイに、密かに想いを寄せていた。
けれど、彼女はいずれ公国を継ぐ身。
叶わぬ恋だと諦めるしかなかった。
だがある日、隣国の公子に城を急襲されてしまう。
ルイに守られ、なんとか逃げのびたステラだが、彼が怪我を負ってしまっていて…。
熱に浮かされる彼に、口移しで薬を飲ませるステラ。
すると突然、ルイは人が変わったかのように、情欲を孕んだ眼差しでさらなるキスをねだり、情熱的な愛撫を施し始め―!?
- 作者: 桜井さくや,芦原モカ
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2019/07/03
- メディア: 文庫
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【感想】
美しく聡明な公女×賢く生真面目な従者。
いずれ相応しい身分の婿をとり、公国を継ぐ身のヒロイン。
従者への想いを心に秘めて過ごすある日、隣国の公子に城を急襲され従者と2人追っ手から逃れることに……。
絵師さん買い。
ソーニャ文庫だが、ヒーローの愛は『偏執的な愛』ではなかったような……むしろ真っ直ぐな純愛だよね。
あ、しょぼい悪役のアレがソーニャ案件か?
あれはキモかった。
幼少時から洗脳のように悪意を注ぎ込まれ自己評価が底辺のヒーローが、ヒロインやヒロイン父、周囲の人々と接する中で自分の意思を持って動けるようになるのだが、出会いから3年後へ一足飛びに時が流れてしまうので、彼の成長を実感として感じられないのが勿体なかった。
15歳のヒーローが戸惑いながらも公国の人々と打ち解けていく様子が見たかったな。
だってイラストの15歳ヒーロー可愛いんだもの(笑)。
逃避行後の城での顛末は、きっとこのあと黒幕が出てくるに違いない!と推理(笑)しながら読み進めたのに、最終的にあんなオチですか。
重要案件の決裁方法、至急見直さないとですね……。
何はともあれ、頭を撫でられる15歳ヒーローのイラストが非常に可愛くてきゅんきゅんした1冊でした。
(あれ、話の内容は?)