『 時間転移したら憧れの英雄に溺愛されました！ / クレイン 』 ガブリエラ文庫

【あらすじ】
侯爵令嬢フィオリーナは、二百年前の英雄アレクシス王をモデルにした小説を愛読していた。
国の混乱に乗じた過激派に誘拐され、湖に落ちた彼女は、時空を越えてアレクシスのいる時代に飛び、不遇な王子だった頃の彼に助けられてしまう。
とまどいつつお互いに惹かれ合う二人。
「ぐちゃぐちゃだ。本当に感じやすいな」
彼と結ばれ幸せを感じるフィオリーナだが、自分の知る歴史からいずれ彼と別れなければならない運命を悟っていて！？

時間転移したら憧れの英雄に溺愛されました! (ガブリエラ文庫)

【感想】
200年前の英雄王がモデルの小説がお気に入りの侯爵令嬢×不遇の王子時代を過ごす、後の英雄王。

タイムトラベルもの。
『2度目の人生は鳥籠から脱出するはずが前世の夫に捕まえられました』のスピン作品。
途中から前作のヒロインが絡んでくるので、そちらを読んでいるとより楽しめるかな。
一応ジャンルはTLだけど、閨シーンより物語に重点が置かれているので読みごたえがあった。

初対面でヒロインに「坊や」呼びされたことを引きずり、身長差逆転目指して励むヒーローと、それを応援するモブさんたちが微笑ましい。
彼のヒロインへの想いは城中の人が知ってそうだし、『殿下を応援し隊』とかありそう(笑)。

一旦元の時代に戻ったヒロインが、かつてルシアノが父親に宛てて書いた手紙を読んで泣き詫びるシーンが切なかった。
ヒロインがいなくなった現在(未来)に残された人たちが、もう会えなくても彼女が幸せに生きた姿を確認することが出来て本当によかったと思う。
あのままだと弟くん、めちゃめちゃ病みそうだったしね……。