『 共に笑い合えるその日まで ―孤独な騎士は最愛を知る― / 碧貴子 』 メリッサ
【あらすじ】
妖魔に襲われたところを助けてくれた命の恩人、聖騎士のウォルドに憧れと恋心を抱くノスリ。
娼婦のふりをしウォルドと身体を重ねた彼女は、その一度きりの関係で彼の子供を授かる。
ひっそりと町を離れ、子供との穏やかな時を過ごしていたある日、ノスリのもとに偶然ウォルドが現れて――。
【感想】
聖騎士ヒーローに命を救われ、恋心を抱いた庶民ヒロイン。
ヒーローの子どもが欲しいと一夜の関係を願い、終始冷たい態度で手酷く抱かれ心身ともに傷つけられた後、彼の子を身籠り姿を消す。
5年後、偶然辺境を訪れたヒーローは自分の子と出会い、ヒロインと結婚しようとするが……。
家族に捨てられ愛されなかった者同士。
冒頭のヒーローがかなりのクズだった。
ヒロイン、めちゃ痛そう…。
父親はクズだったけど、生まれたロイドはすごく可愛くていい子。
子どもの存在を知って、なんとか認めて貰おうとせっせと貢いだり、お役立ちアピールする不器用なヒーローも可愛い。
でも、ヒロインの今さら父親なんていらないって気持ちも分かる。
ヒーローとヒロイン視点が交互に入るので、それぞれの気持ちが分かりやすかった。
ヒロインに信じてもらう為の、ヒーローの気持ちの証明の突拍子のなさに笑った。
お山に返してきなさい!じゃなくて、本当に飼うのね。
物騒な番犬がヒロインやロイドを守って活躍する場面も見てみたいな~。
ここからは個人的な好みの話なんだけど、『~なわけで。』『~だが。』など、文の途中で留めている文章が多いのが読んでいて気になった。
特に『~で。』は数ページに1回は出てくる頻度。
多分、作者さんの癖なんだろうな…。