日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 強制的に悪役令嬢にされていたのでまずはおかゆを食べようと思います。 / 雨傘ヒョウゴ 』 Kラノベブックス f

【あらすじ】
ラビィ・ヒースフェンは、16歳のある日前世の記憶を取り戻した。
今生きているのは、死ぬ前にプレイしていた乙女ゲームの世界。
そして自分は、ヒロインのネルラをいじめまくった挙句、ゲームの途中であっさり処刑されてしまう悪役令嬢であることを。
しかし、真の悪役はネルラの方だった。
幼い頃にかけられた隷従の魔法によって、ラビィは長年、嫌われ者の「鶏ガラ令嬢」になるよう操られていたのだ。
今ついにその魔法が解け、ラビィは自由の身となった。
それをネルラに悟られることなく、処刑の運命を回避するために必要なのは「体力」――起死回生の作戦は、屋敷の厨房に忍び込み、「おかゆ」を作って食べることから始まった。
毎晩おかゆを食べ続け、徐々に回復してきたラビィ。
彼女を蔑んできた弟のフェルや、形だけの許嫁である第一皇子のバルド、バルドの命令でラビィの監視をしていたサイなど、周囲の目も変わり始め――!?



【感想】
ある日、自分が乙女ゲームの悪役令嬢でこのままだと処刑されることを思い出したヒロイン。
しかし本当は、ゲームヒロインにかけられた隷従の魔法に操られての奇行や悪行だった。
奇跡的にその魔法が解けたヒロインは逃亡に向けて、まずは体力の回復を図るため『おかゆ』を作り始め……。

ゲームヒロイン(後の聖女)と出逢った6歳の時から、隷従の魔法で従わされているヒロイン。
“ゲームヒロインを虐げる傲慢な悪の令嬢と、そんな彼女を赦し常に寄り添う天使のように優しい使用人”という世間の認識が10年も続いていたのだと思うと……
もうホント、ゲームヒロインが周囲に讃えられるたびにストレス半端ないわ。
家族から切り離され周囲は敵ばかり、ご飯もまともに与えられずガリガリに痩せ細ったヒロインが、前世の記憶を取り戻してようやくだけど、この状況から抜け出そうとしてくれて本当に良かった。
悲惨極まりない状況なのにヒロインの心の中のツッコミが面白くて、たまにフフフッてなる。

ヒーローが監視役としてヒロインを見張る中で見せる、無表情の中の戸惑いとかヒロインを気にかける様子とか、なんか大型犬ぽくて微笑ましかった。
そしてカラー口絵のヒーローがどれも好みで眼福。
ちなみに、ビジュアルが一番好みなのはヒーローだけど、一番好きなキャラは狐の使用人さん(笑)。

しっかしこの乙女ゲーム、どのエンドもあんなんでプレイする側は楽しかったんだろーか。
私はやっぱり、遊ぶならすっきりハピエンがいいな~。