日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 手切れ金をもらったので旅に出ることにした / 海老 エビ子 』 Ruby collection

【あらすじ】
レイルの幼馴染み・ジオは魔王を倒して勇者となった。
もうすぐ貴族の仲間入りをはたし王女との婚約発表も間近との噂だ。
一方、レイルは生まれ育った孤児院を寝る間も惜しんで切り盛りしており、そんなレイルを支えるためにジオは孤児院に何かと寄付をしてた。
だがジオの仲間は、レイルがジオに金をたかっていると誤解し、ジオの友人には相応しくないと嫌っていた。
さらに王女からは二度とジオに会わないよう手切れ金を渡されて、レイルは旅に出ることにする。
しかし王宮に現れたジオは、レイルを追いやったことに激怒しており――?



【感想】
勇者×孤児院の院長。

勇者となった攻から、孤児院への寄付として彼の給与や報奨金の大半を受け取っていた受。
そんな2人を見て、受が攻にたかっていると考えた勇者の仲間は「彼を解放しろ」と責め、王女からは大金を渡され「二度と会うな」と命じられた受は、その金を孤児院へ残し当てもない旅に出るが……。

孤児院育ちの幼馴染同士。
攻は最初から執着心でいっぱいだが、受には恋愛感情のカケラもなし。
あっさり旅に出る受と、怒りに燃える攻との温度差がすごい。
おそらく人生初の侮蔑や威圧を向けられた王女が、納得出来ずにもう1回くらい受や攻の前に現れるかな…と身構えてたんだけどね。
そのまま退場でちょい物足りない。
反省でも逆恨みでもいいから、彼女の心境を読んでみたかったな~。

受が働く宿の従業員'sが、お菓子を食べながら攻について話してるとこが面白かった。
気遣いと牽制の同時攻撃とは、さすがは勇者様…(笑)。
出来ることなら、受に『普通の生活』をもう少し経験させてあげたかったなぁ。
数少ない“友人との思い出”として、いつかあの日々を思い出すんだろうな……と思うとちょっと切ない。

後日談の、婚姻披露式典の出し物(壮大な小芝居)が見ごたえがあって楽しそうだった。
王都でも、ホントに生誕の祝いでやっちゃって欲しい(笑)。