日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 物言わずとも愛語る / 伊達きよ 』 Ruby collection

【あらすじ】
異世界の王子と人生を入れ替えられ、獅子王・アルヴァロの花嫁となった莉央。
言葉の通じない獣人たちの国に突然放り込まれ、莉央は王宮から逃走しようとするが失敗する。
傲慢だと噂の王子がわざと騒動を起こしたと、アルヴァロは怒りのままに莉央と対面するが、子どものように怯えて泣く莉央を気が付くと抱き締めており…?


物言わずとも愛語る (Ruby collection)

物言わずとも愛語る (Ruby collection)


【感想】
獣人国の王ד異世界の自分”と入れ替わらされた青年。

人と関わること、言葉を交わすことを恐れ、1人俯いて生きていた受。
夢の中で自分そっくりの男に「人生を交換してもらう」と言われ、目覚めると言葉の通じない見知らぬ世界中にいて……。

受を襲い、発覚すると被害者ぶって受を陥れた元同僚がクソ。(失礼)
奴はいつか、日本で生きるリォルに呪術かなんかで酷い目にあわされて欲しい。

精一杯説明しても信じて貰えず、被害者なのに加害者にされて以来言葉は不要だと生きていた受が、攻たちと過ごす中で自分の気持ちを言葉で伝えたいと思えるようになって良かった。
兎の侍従たちが受をとても大切にしていて、両側から受の手をとって歩いたり、怯える受に優しく尽くす様子に癒された。

最初は我が儘王子に怒っていた攻が、怯えて泣く受に庇護欲をかき立てられ、ぎゅって抱き締めたり兎ちゃんたちに向ける笑顔を自分にも見せて欲しくなっちゃうのが微笑ましい。
キスに対する解釈の違いや花冠のシーンが好き。
言葉を無くす前に……と愛の言葉を紡ぐ受に思わず涙したけど、ちゃんとハッピーエンドで終わって本当によかった。
ただ、これから先も受が莉央ではなくリォルと呼ばれるんだなーと思うと、名前を失くした気がしてそこはちょっと寂しいかもしれない。
愛称っぽくリオって呼んでくれないかな~。