日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 αの花嫁 / 天野かづき 』 角川ルビー文庫

【あらすじ】
Ωとして産まれれば、男でも子を産むことができる性が存在する世界――。
数が減り貴重な存在となったΩのライゼは、誰もが恐怖する獣人の国の次期王のもとに、国の命令でツガイとして子を産むために嫁ぐこととなった。
それも、国に妹を人質としてとられ逆らうこともできず、さらに決して夫には言えない秘密を抱えたままで…。
しかし、夫となる獣人・カシウスを一目見たライゼは、甘い香りに逆らえず発情してしまう。
そして出会った途端の初夜は、なぜか目隠しをされ抱かれることになるのだが!?


αの花嫁 (角川ルビー文庫)

αの花嫁 (角川ルビー文庫)


【感想】
獣人が統べる国の次期国王α×国の都合に翻弄され他国へ嫁がされた孤児Ω。

孤児院で育ち、Ωだと分かってからは王宮の奥深くで国のための道具となるよう教育されてきた受。
国に命じられ野蛮で恐ろしい獣人の国へ輿入れするが、夫となった攻は受の気持ちを慮り優しく気遣ってくれて……。

作家さん買い。
天野さん作品は、不遇の受が絶対幸せになれるから安心して読めていいよね。

狼獣人の姿に怯えた受のため姿を見せないよう気遣ったり、贈り物に必ず手紙をつけてくれる攻の優しさがいい。
というか、攻が受のために庭や温室を用意し、受のつらい記憶を刺激しないよう無言を通し、事情を把握したらすぐさま受の憂いを取り除くべく行動し……と、スパダリ過ぎて読み手が心配する余裕すらなかった(笑)。
運命の番に関してショックを受けた受が、もうちょい悲しく切ない想いを引きずってくれると更に私好みだったんだけど……まぁ、その辺はルビー故のページ数の少なさもあるから仕方ないかな。

たったひとりの家族である妹のために国からの使者に従う受は見ていて辛かったが、それがきっかけとなって記憶が戻ったのはよかった。
ザマァ好きな私としては、攻がスオウ国の面々へどんな報復をしたのかも読んでみたかったわ。
さぞや酷い目にあっていることだろう……ふふふ。