『 初恋王子の甘くない新婚生活 / 名倉和希 』 ショコラ文庫
【あらすじ】
町育ちの平凡な第十二王子フィンレイに、十歳以上も年上の地方領主フレデリックとの縁談が舞い込む。
美貌と威厳を兼ね備えた彼に、実はフィンレイは子供の頃から憧れていた。
喜んで嫁いだけれどフレデリックの態度はよそよそしく、夢見た初夜の営みもなくて、自分が望まれていないことを知る。
だがそっけないフレデリックもかっこいいし、彼の幼い甥たちは可愛い。
せめて役に立ちたくて、領地の勉強や甥の世話を頑張ってみたがうまくいかず…。
- 作者:名倉 和希
- 発売日: 2020/08/11
- メディア: 文庫
【感想】
地方領主×第十二王子。
平民の母や祖父母と共に市井で暮らす受。
十歳の時から憧れていた攻の元へ嫁ぐよう王命がくだり喜ぶが、長旅の末顔を合わせた攻は素っ気ない態度で……。
作家さん買い。
攻と受の年の差は一回りくらいあるのかな。
(もうちょっとある?)
大好きな人に望まれて妻になるのだとウキウキしてる受と、突然王子を娶るよう言われ警戒している攻とで温度差があり最初はすれ違う。
ウキウキからしょんぼりになる受が切ない。
とはいっても、比較的早い段階で攻がデレる安心設計。
受が生き生きとしてて可愛くて努力家で、子どもたちとも自然体で向き合ってて、そりゃあ攻も絆されるってもんだ。
小躍り&手摺り滑りのシーン、好きだわ~。
難しいお年頃のライアンのことも、彼が潰れないよう気遣ったり、興味の対象を把握しても押し付けがましくならないようさりげなく誘ったりと、本当にいい保護者だなーと思った。
守られるだけのお姫様(あ、王子様か)ではなく、攻の危機に駆けつけて戦う強さがあるのも良かった。
王太子はなんつーか…これで30代だってのが……。
まぁ、スペアはたくさんいるみたいだしね。
国王になってから仕掛けられるより、王太子のうちにやらかしてくれて良かったと思えばいいか(笑)。