日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 溺愛彼氏と恋わずらいの小鳥 / 若月京子 』 ダリア文庫

【あらすじ】
過去の出来事から対人恐怖症になり、家に籠もりがちな光流。
音楽が好きで、いつしか感情を曲にして歌うことが趣味になっていた。
18歳になり「自立したい」と悩み始めた矢先、兄の友人で大企業の御曹司である明仁と再会。
光流の歌に惚れ込んだという彼に、CDデビューを持ち掛けられる!
憧れていた明仁が隣にいてくれるなら、と勇気を出すが、優しくて頼れる彼にドキドキしっぱなしで!?


溺愛彼氏と恋わずらいの小鳥 (ダリア文庫)

溺愛彼氏と恋わずらいの小鳥 (ダリア文庫)


【感想】
幼馴染で兄の親友の攻×対人恐怖症になり、中2から家に籠もりがちな受。

同級生に襲われて以来、身内以外の人間と接することが出来なくなった受。
18歳になりこのままではダメだと焦っていた時、幼い頃からその時々の心情を綴っていた曲たちを世に出してみないかと攻に提案され……。

家族と攻以外に対して恐怖を感じてしまい、1人では外に出られない受。
そんな受を家族は「天使ちゃん」と猫かわいがり。
家が資産家なので、籠りがちとは言っても部屋は広いし生活に余裕はあるしで外に出られない悲壮感は全くなかった。
CDに関しても、皆がそこまで言うなら……と流され気味に承諾したので、誰かの心に響いて欲しい、いい曲だと認められたいという強い気持ちがないのが少々物足りないかな。

箱入りな受が勇気を出して1歩踏み出す……という設定は好きなんだけど、この子の世界は結局、多少外に出たとはいっても家族か攻が一緒にいる空間だけで、これからも大切に守られながら生きていくんだろうな…と思うとちょっとモヤモヤしたものが残った。
……まぁ、攻が自分ナシで外へ出ていくことを許すとも思えないから、受ちゃんは気づかないまま一生鳥かごの中かもしれないけどね(笑)。