『 うちの犬はもっと可愛かった 2 愛犬閣下は待てができない / 鳥下ビニール 』 eロマンスロイヤル
【あらすじ】
国内最強と謳われた将校クライヴ・ネア・ヒースにかけられた『愛犬として愛されたい』という呪いは無事解呪された…はずなのに変わらず愛犬扱いを強請ってくる“くーちゃん”に、“ご主人さま”の備品呪術管理官リタ・ロゥ・ウェルツは戸惑っていた。
確かに婚姻届にサインしましたけど!
ためらいもなく脚の間に頭を埋めてくるとか、くーちゃんは待てのできないダメな犬ですか!
さらに、休暇を取りクライヴと辺境で新婚生活を送り始めたリタを、ここぞとばかりに片時も離れず抱き潰そうとする愛犬閣下。
「犬が主人を舐めたがるのは、当然のことだろう」って何言ってんですか!
そしてプレゼントと称して差し出したものは―ピ、ピンクのぶるぶる…これってまさか??
ご主人さまと愛犬閣下の新婚生活はどうなる?
【感想】
王城で物霊の声を聴く、愛犬家な下級役人ヒロイン×国内最強と謳われる、ご主人(奥さん)至上主義の将軍。
呪いが解けても愛犬願望持ちの最強将軍と、どんなくーちゃんでも深い愛を注ぐご主人様との新婚生活編。
1巻では犬故にご主人様から離れがたいのかと思っていたが、ただの仕事嫌い人間だったと判明したヒーロー……こいつダメすぎるでしょ…。
どんな駄犬でも愛するご主人は、まさに愛犬家の鏡である。
魔物や蛮族には臆さず突入するヒーローが、ピアス穴を開ける時にめっちゃ怯えていたのに笑ったわ。
職場の彼しか知らない部下たち(副官除く)が見たら、二度見三度見案件だろうな(笑)。
理由があるとはいえ、スライムプレイはなかなかハードルが高い。
強引にコトを運ぶくーちゃんに若干イラッとしたが、ヒロインから反撃を受け、新たな扉(笑)を開かれちゃってたので許してやろう。
いまでもスライムちゃんは活躍してるんだろーか……(´・ω・`)トビラオープン?
ヒーロー兄夫妻の話は、旦那様と想いを交わすまでを読みたかったのでちょっと物足りなかったかな。
まぁ、彼女の礼状に解説が書けるということは、恋文を読み解けるようになったんだろう。
ヒロインの策が上手くいったようで喜ばしい限り。
文字だけでなく、声で想いを伝えられる日が早く来るといいね。
今回のお気に入り物霊は、お茶会に怯みUターンしようとしたヒロインを「ここで進まねば爆発四散するぞ」と脅し……じゃなくて激励したヒロイン着用のドレスさんと、再登場のウサギ氏。
犬の玩具じゃなくなったけど、ぺよー…な彼が側にいてくれると安心感があるわ。
物霊の在り方も、なかなか興味深かった。
書店購入特典のSSペーパーは、ご主人が他の犬に手ずから肉を与えることが許せない愛犬とヒロインとの攻防(?)話。