日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 うちの犬はもっと可愛かった 愛犬閣下は甘やかされたい / 鳥下ビニール 』 eロマンスロイヤル

【あらすじ】
備品呪術管理官リタ・ロゥ・ウェルツが上司から世話を任された「犬」は、「上位将校の軍服を纏う偉丈夫」だった!!
手渡された深緑色の大型犬の首輪には、飼い主のリタ以外には「彼」が「犬」に見える高度な魔法が編み込まれているらしい。
なるほど、それなら「彼」を犬扱いしても問題な…いやいやいやいや、おかしい。
なにもかもおかしい。
首輪。
首輪て。
あの、期待に満ちた純粋無垢な目で見るのをやめてくれないですかね?
呪いだから無理ですかそうですか。
しかし、それでもあえて問いたい。
「あなたの飼い犬になりたい」と真顔で言い放つ成人男性を押し付けられるほどの悪徳が私にあったでしょうか―!
2018eロマンスロイヤル金賞受賞作!



【感想】
愛犬を喪い傷心の備品呪術管理官×『愛犬になりたくて仕方がない』呪いをかけられた国防の要の将校。

作家さん買い。
敬愛する上司から犬を預かるよう言われ、了承すると連れてこられたのは巨漢の軍人。
そして差し出される首輪と期待に満ちた眼差し……。
ヒロインと共に私もポカーンだったが、すぐにくーちゃんの可愛さ(?)にやられたわ。
ご主人が大好きすぎるくーちゃん可愛い。
ヒーローの中の飼い主への思慕に、次第に男としてヒロインに向ける愛情が混じり始めるが、彼女の方は愛犬への愛情に溢れていて……そんな2人の共同生活が微笑ましい。

後半、それまでのほのぼの路線から一転ヒロインがかなり酷い目に遭い、その部分は読んでて痛かった。
悪役が捕まった後の処遇は不明だが、奴にはヒロインが受けた痛みと恐怖×100倍ぐらい酷い目にあって欲しい。

ヒロインの職業柄、作中で様々な無機物たちの呟きが聞けるのだが、私のお気に入りはミミズを寸断してしまい落ち込むスコップさんと、雑に字を書かれてご立腹の手紙さん。
それとは別枠で、ぺよー……のウサギ氏もいい味出してた。
ウサギ氏を提供した大佐は元カノへの未練を断ち切れたのだろうか。
初登場の時のサイテー男ぶりからかなり矯正されつつあるので、彼にも幸せになって欲しいと思う。
このあと読む2巻で彼らがどうなっているのか楽しみ。