日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 うさ耳オメガは旦那様に尽くしたい / 小中大豆 』 角川ルビー文庫

【あらすじ】
隠れオメガの獣人の卯壬は、勤め先を不当にクビになったところを、怪しげな色男・蘭に助けられる。
蘭は東洋の魔窟と噂の禁龍門で鳥獣商を営む男で、卯壬はそこに住み込みで働くことに。
衣食住の世話をしてくれる優しい蘭に、初めて心の安らぎを得る卯壬だが、ある日、店と因縁のある武剣という男に攫われ、蘭の手帳を探るよう詰め寄られる。
「彼は君を売るつもりだ」と言う武剣から危機一髪で逃げ出すが、突然発情期になった卯壬は、蘭にオメガだと見破られてしまい…!?



【感想】
受を助け雇った、怪しげな店を営む人間α×不当な扱いに慣れてしまった身寄りのない兎の獣人Ω。

作家さん買い。
タイトルと可愛い表紙に反し、メインキャラのほとんどが重く不遇の過去を持っていた。
辛いこと、悲しい目に遭うことに慣れてしまい、穏やかな時間の中でも“終わり”を想定している受が哀しい。
でも、そんな中でも前向きに生きる受と、実はこちらも酷い扱いを受けた過去を持つのに、飄々としている攻のお陰で重苦しい空気にならずにすんだ。

一応これ、ジャンルはオメガバースなんだろうけど、Birthすることはないんだよね……。
そう想うと切ないが、最後の方の攻の名字を見て、受にも攻にもちゃんと家族が出来たんだな~と嬉しくなった。
本当は、向こうでの生活を見られたらもっと良かったんだけどね。
禁龍門と違いどこでも気軽に歩けるから、2人で色んなところに行って、たくさんの幸せな思い出を作って欲しいな。