日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 ないものねだりの王子と騎士 / 小中大豆 』 キャラ文庫

【あらすじ】
代々騎士を輩出する名門出身なのに、華奢で剣術の才能は皆無!!
なぜか魔術には長けているリュトが、騎士になる唯一の方法は、地位のある貴族から推薦状を戴くこと。
けれど、ことごとく断られてしまったリュトが最後に頼ったのは、男色家と噂の変わり者の王子。
若くして王位継承権を辞退し、隠居している城を訪ねると「推薦状が欲しければ、私に魔術を指南しろ」とまさかの条件を出されて…!?


ないものねだりの王子と騎士 (キャラ文庫)

ないものねだりの王子と騎士 (キャラ文庫)


【感想】
剣術の才能はあるが魔術を極めたい隠遁王子×魔術に長けているが騎士になりたい脳筋な騎士見習い。

お互いがお互いの欲しい才能を持っているという、まさにないものねだりな2人。
でも、そこで相手に嫉妬するのではなく、互いに教えあい支えあうのが良かった。
最初は脳筋&考えなしのアホの子すぎてイラッとした受が、最後には『お世話係』呼ばわりされても冷静でいられる姿を見て成長を感じたわ。

主役の2人より、ブタ栗鼠たちの方が存在感があった気もするが(笑)、楽しく読了した。
後の世に伝わる2人の姿が、彼らの望む形になってたのも良かった。
ブタ栗鼠が魔獣になってたのは笑ったけどね(笑)。

『 悪逆貴族の身辺整理 / 栢本みおり 』 Ruby collection

【あらすじ】
現代日本で死んだと思ったら、小説『叛逆のジーク』に登場する悪役公爵・ハインレイドに転生していた。
血も涙もない“己”の非道な行いを思い出し、物語通りに死ぬことを決意するハインレイド。
一方、公爵のおかしな様子に、ハインレイドを殺すはずの護衛騎士・クレイグは不審を抱く。
だが、ハインレイドの“とある行為”を目撃してしまい、予期せぬ執着を抱くようになり!?
物語はハインレイドの破滅に向かい加速するが、クレイグは物語では考えられない行動をとり始め―。
450万PV超えの人気Web小説が登場!


悪逆貴族の身辺整理 (Ruby collection)

悪逆貴族の身辺整理 (Ruby collection)


【感想】
悪逆貴族の護衛騎士×妹の治療費の為に偽装自殺をし、気付くと小説の悪逆貴族に転生(?)していた青年。

あらすじ買い。
小説世界への転生ものということで、それまで悪逆の限りを尽くしていた非道な公爵が、日本人の意識を元に変わっていく話だと勝手に思い込んでいた。
実際は、過去に公爵が犯してきた数々の拷問や殺人や強姦や虐殺etc……の記憶に苦しむ受。
小説内では公爵を憎み殺す役目の攻を側に置き、小説通りに殺されようと決意する。

いやー、色々とつらかったわー。
小説主人公が国を暴君から解放するまでも、BLなのにLOVEはほぼないわ、どんなに死ぬはずだった人たちを救っても受の心は救われないわで甘さはなかったんだけども……。
それ以降の後日談が、これまたキツかった。
攻が望む“幸せ”と受にとっての“幸せ”はいまは交わることはないけれど……いつか、旅の途中でも終わりでもいいから、一緒にいて楽しかった、幸せだったと2人が笑って目を閉じられる日がきて欲しいと思う。

『 完璧主義男に迫られています / 桜川ヒロ 』 富士見L文庫

【あらすじ】
イベント会社で働く卯月陽菜は、社内で“営業部の鉄仮面”と有名な堅物の完璧主義男・長谷川薫に告白された。
ところが彼は、陽菜を好きだと言うくせに不服そう。
どうも彼の“完璧な将来計画”で付き合う予定の女性像と、陽菜はかけ離れているらしい。
「大丈夫です。俺と付き合えば、徐々に素敵な女性にしてあげます」
「いや、無理だわ」
キッパリ断る陽菜だったが、諦めない長谷川の誠実かつ隙のないアプローチで迫られてしまい―。
完璧主義男に翻弄される、頑張りOLの(恋の)運命は!?


完璧主義男に迫られています (富士見L文庫)

完璧主義男に迫られています (富士見L文庫)


【感想】
職場では仕事のできる女だが、帰宅すると典型的干物女なヒロイン×『営業部の鉄仮面』と呼ばれる完璧主義男。

読友さんのレビュー買い。
「大変認め難く不可解極まるが、どうやら好きになってしまったようなので付き合ってくれ」という告白(?)をされたヒロイン。
しかし、自分が好きになる予定だった理想の女性像から8割外れてるから改善しろと言われ、即お断り。
私の好きな逃げるヒロインと追うヒーローなパターンで、楽しく拝読。
そして、このレーベルでここまでラブシーンがあるのは初めて読んだ(笑)。

最初はこいつふざけんなよ、と思ったヒーローは自分から歩み寄ろうとするいい奴で、ノートを燃やせば付き合ってくれるのか!とかちょっと方向性はアレだったけど(笑)、私は好きだったな。
『常に側にいて~』の解釈には笑ったが。
どんなストーカーだよ。

肉食系陰険眼鏡が頼れる甘やかしスパダリと化していくのを眺め、とろとろ牛肉シチューにお腹を鳴らしながら読了しました。

『 引きこもり令嬢は話のわかる聖獣番 / 山田桐子 』 一迅社文庫アイリス

【あらすじ】
「倒れた母のためには金がいる。だから王宮に出仕してくれ!」
ある日、そう父に言われた伯爵令嬢のミュリエルは、断固拒否した。
なにせ彼女は、人づきあいが苦手で本ばかりを読んでいる引きこもり。
王宮で働くなんてムリ!と思っていたけれど、父が提案したのは図書館司書。
そこでなら働けるかもしれないと、早速ミュリエルは面接に向かうが―。
どうして、色気ダダ漏れなサイラス団長が面接官なの?
それに、いつの間に聖獣のお世話をする「聖獣番」に採用されたんですか!?
引きこもり令嬢と聖獣騎士団長の聖獣ラブコメディ!



【感想】
恐怖を感じるレベルで人付き合いが苦手な引きこもり令嬢×無自覚に色気駄々漏れな聖獣騎士団の美形団長。

家庭の事情で、王宮に図書館司書の採用面接を受けにきたヒロイン。
しかし、なぜか司書ではなく騎士団の聖獣番として採用されてしまい……。

皆さんと同じく、私も「話のわかるってそっち!?」ってなった(笑)。
初心でビビりなヒロインと自分の気持ちに鈍感なヒーローなので、後半までラブは薄め。
ヒーローのラストの追い込みはなかなかのものだったが、ヒロインが大人の階段を上りきるにはまだまだ時間がかかりそう(笑)。

まだパートナーが決まっていない聖獣もいるし、ヒロインも100段上りきっていないので、出来れば続きが出て欲しいな。
本隊の聖獣とも交流して欲しいし…。

ヒロインが例の血を引いているとしたら、彼女の弟にも聞こえたりするのかしら。
そのうちスジオかクロキリのパートナーになってたりしてね(笑)。


特典のSSペーパーは、『鍵つきの引き出しの奥にある、例のアレ』のお話。

『 鬼の求婚 ~桃太郎の受難~ / 真崎ひかる 』 角川ルビー文庫

【あらすじ】
桃太郎の末裔である桃瀬一族の御曹司・柊は、家の財政難を救うために鬼が島の財宝探しを決意する。
しかしその矢先、父親が鬼の末裔・鬼柳家の資金を持ち逃げし、柊は島に居合わせた鬼柳家三男の藤司に人質として軟禁されてしまう。
虎柄パンツを穿かせてきたり、何かと嫌みを言いつつも、意外に面倒見の良い藤司に、鬼の一族というだけで彼を嫌っていたことに気付く柊。
互いに打ち解け始めたある日、柊が内緒で家に助けを求めたことを知った途端、藤司の態度が豹変して…!?


鬼の求婚 ?桃太郎の受難? (角川ルビー文庫)

鬼の求婚 ?桃太郎の受難? (角川ルビー文庫)


【感想】
鬼の末裔×桃太郎の末裔。

現代もので、登場人物はおとぎ話の子孫らしい。
双方とも企業の御曹司設定。

かつて鬼が住んでいたとされる島で出会った2人。
ちょっぴり意地悪なイケメン攻と箱入りで可愛い系の受という定番キャラで、特にハラハラもドキドキもなく、良く言えば平和なお話。
3人のお邪魔虫……じゃなくてお供による妨害とか、攻の自称婚約者からの嫌がらせとか、そんなのが入るかと思ったけどほぼ攻と受の2人の世界で終わってた。
4年以上前の本だが、このあと続編が出たんだろうか。
もしないなら、話としてはちょっと中途半端かなーという気がした。

『 110番のホームズ 119番のワトソン 夕暮市火災事件簿 / 平田駒 』 文春文庫

【あらすじ】
夕暮市消防署の消防士の棉苗上亮は、刑事の穂村彗星と火災現場で出会う。
どんな難事件も解決する彗星は「火事場の奇人」と呼ばれていた―。
彗星の信条は「焦げ付いた空間から、真実という名のダイヤモンドを拾い上げること」。
二人の出会いと、反発しあいながらも、互いに成長していく姿を描く第1回バディ小説大賞受賞作。



【感想】
表紙とタイトルで購入。

中編×3つ。
『第1回バディ小説大賞』の受賞作らしいが、主人公の消防士と火災調査の刑事が最後まで“バディ”と呼べる関係を築けていなかったような……。
信頼感とか全然感じなかったよ。
どの辺がシャーロックやらワトソンだったのかも謎。

あと、登場人物が多すぎて、特に1話目の時は誰が誰か分からなくて困った。
最初に消防と警察だけでいいから人物紹介ページが欲しかったなぁ。
(苗字と名前とアダ名で3パターン出てくるんですもの……呼び方が多すぎる…) 

各話の始まり方が面白そうだっただけに残念。

『 白銀のオオカミと森のお医者さん / 中原一也 』 シャレード文庫

【あらすじ】
人間社会に疲れた獣医の岡村は、先祖が代々受け継いできた山で動物のための診療所を開く。
しかしそこは獣人が住む山だった。
普段は可愛い動物の姿をしているが、ひとたび縄張り争いとなると血気盛んな獣人オヤジたち。
中でも白銀のオオカミの牙狼は、雄のフェロモン垂れ流しで「俺と子作りしよう」と岡村を口説いてくるが…!?
狼の彼に舌で愛され、人の姿で激しく奥まで貫かれ―。
白銀の狼×獣医のドキドキ動物パラダイス☆


白銀のオオカミと森のお医者さん (シャレード文庫)

白銀のオオカミと森のお医者さん (シャレード文庫)


【感想】
オオカミ組組長の狼獣人×相続した山林を訪れた獣医。

作家さん買い。
もふもふ&オッサンパラダイス(笑)で楽しかった。
人間関係に疲れた受が、山で暮らす獣人たちを相手に診療所を開き、もふもふしたり攻とちゅっちゅしたりもふもふしたりするお話。

攻が大人の色気と広い心を兼ね備えていて、受を包み込みつつちょっぴり嫉妬したりするのをニヤニヤしながら読んだ。
可愛らしいカピバラさんや可愛らしいうさぎさんや、ハチミツ食べてご機嫌な熊さんを見てもふもふ欲に駆られる受を、浮気者扱いする攻に笑った。
確かに皆、人型になるといい年したオッサンだもんね。
恋人が自分以外の男に抱きついたり抱きしめたりしてる……って考えると、攻の気持ちは分かる(笑)。

狼や熊、狐や狸やうさぎ……の中のコアラに違和感しかないんだけど、結界内の種族分布はどうなってるんだろう(笑)。