日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『異世界からの企業進出!? 転職からの成り上がり録1 入社篇 / 七士七海 』 ハヤカワ文庫JA

【あらすじ】
「こちらが鬼王さまのダンジョンになります」と面接官のスエラさん。
ブラック企業を勢いで辞め、さてこれからどうするかと思っていた時に目にしたチラシがきっかけで入社試験を受けに来たのだが、どこでこうなった!?
おれがダンジョンのテスター係?
しかもその目的が、勇者が攻略できないダンジョンを作るためだって?
よし、社畜でつちかったサラリーマン魂見せてやる!
日本が舞台の痛快無比のファンタジイ第一弾!



【感想】
web版未読。
ブラック企業を辞めた日、ポスティングチラシで見つけた求人は魔王軍の対勇者ダンジョンのテスター募集。
半信半疑で訪れた会社にいたのは、ダークエルフの受付嬢や面接官で……。

舞台が異世界ではなく日本で、主人公が正社員としてダンジョンを攻略していくという設定は面白かった。
ただ、主人公が今のところ絶賛ぼっちパーティーなので、戦闘中独り言以外の会話がないのがちょいツラいかな。
2巻で仲間が出来ればいいんだけど。

ブラック企業から転職した先も、死と隣り合わせである意味ブラック企業だよなぁ……。
こんな痛そうなお仕事、私には無理だわ。。。


全然関係ないけど、通勤電車で読んでる時、主人公の絶叫が太字表記されてると周りの人に見えそうでちょっと恥ずかしかった(笑)。

『 人質王女は居残り希望 / 小桜けい 』 レジーナ文庫

【あらすじ】
赤子の頃から、人質として大国・イスパニラで暮らすブランシュ。
彼女はある日、この国の王リカルドによって祖国に帰してもらえることになった。
けれど、ブランシュはリカルドのことが大好きでまだ傍にいたいと思っている。
それに国に戻ればすぐ結婚させられるかもしれない。
ブランシュは、イスパニラに残って女官になろうと決意して―!?



【感想】
軍事大国への人質となり1歳で生国を離れ、小さな離宮で暮らす小国の王女×幼いヒロインの飼っていた猫をきっかけに知り合い、以来何かと彼女を気にかけていた王太子

王位を継ぎ各国の人質たちを解放したヒーローと、そんな彼への感謝と恩返しをするため、解放後も国に戻らず王宮で働くことを選んだヒロイン。
そんな2人の両片思いでじれ甘なお話かな~と読んでみた。

……うん、15歳年上で『赤い悪鬼』と恐れられる国王陛下がめっちゃヘタレだったわ。
そして、彼よりもヒロインのお友達の方がインパクトが強くて印象に残った。
結構序盤から怪しい行動を見せていた“彼女”のことを、てっきり国王&王弟コンビは怪しんでいるものだとばかり思っていたよ……。

業火の中から生還し組織をまとめあげ活躍する“彼女”の、波乱万丈であろう人生が気になる。

『 御曹司の溺愛家族計画 / 神香うらら 』 角川ルビー文庫

【あらすじ】
姉の忘れ形見の甥・ショーンを育てながら慎ましく暮らす星の元に、突然、ゴージャスな男前、クレイグが現れる。
彼は、ショーンは自分の弟の忘れ形見でもあると告げ、二人をNYの自宅に招く。
アメリカ有数の富豪の御曹司・クレイグの華やかさに警戒心もあらわな星だが、ある出来事で紳士的で愛情深い彼の本心を知り恋におちてしまう!
クレイグも心も体も綺麗な星に惹かれていく。
そんな時、星とショーンが暴走車に轢かれそうに!?
大切な者が狙われたと知ったクレイグは―!


御曹司の溺愛家族計画 (角川ルビー文庫)

御曹司の溺愛家族計画 (角川ルビー文庫)


【感想】
アメリカ有数の富豪の御曹司×姉の遺児を引き取り育てる日系人

甥っ子を可愛がりしっかりと育てている受の元に、その子は弟の忘れ形見だと訪ねてきた攻。
経済基盤の格差を盾に連れ去ろうとするのではなく、お試しを持ちかけ2人を招待したのは好感がもてる。

受らの命が狙われたりもするが、安心安全設計の作者さんなので特にハラハラすることもなく安心して読了。
犯人も動機も分かりやすいしね。
途中からすっかり影が薄くなってしまったお祖父様が、今回の顛末でぶっ倒れないか心配だったが、カップル誕生に大喜びのようなので良かった(笑)。

『 失恋する方法、おしえてください / 槇原まき 』 エタニティ文庫

【あらすじ】
ひなみの想い人・啓は幼なじみにして、多方面で活躍中の人気俳優だ。
そんな彼とひなみは“仲の良い幼なじみ”の関係を保ち続けていた。
ところがある日、週刊誌に啓の恋愛スキャンダルが掲載される。
啓とは、住む世界が違う…。ならば、すっぱり振ってもらおう!
そう思った彼女だけど…なぜか一転、彼と付き合うことに!?
しかも…同棲しようって!?
イケメン俳優と平凡女子の、ナイショで甘~いラブきゅん生活。
文庫だけの書き下ろし番外編も収録!



【感想】
メンズ服のパタンナー×モデルあがりの人気俳優。

幼なじみもの。
生まれた時からずっと一緒の2人。
好きな気持ちを隠し、ヒーローのための服を作り続けていたヒロイン。
女優との恋愛スキャンダルを知り、気持ちに区切りをつけるため振って貰おうと告白するが……。

周りの男どもを牽制していたくせにヒロインに告白するでもなく、彼女からの告白に「お前のこと嫌いじゃないから付き合ってみるか?」的な返事をするヒーローが謎。
そこは「俺もずっと好きだった!」じゃないのか。
おかげで彼女が余計な悩みを抱える羽目に…。

例え仕事でも、恋人の濃厚ラブシーンを見るのはキツイねぇ。
世の芸能人の恋人たちはどう折り合いをつけてるのかね。
マネージャーの行動も含め王道ストーリーではあるが、『自分の作った服で彼を包み込みたい』『自分の分身としていつでも彼の側にいたい、触れ合っていたい』は、なるほどね~と思った。
贈った服を脱がせたい……って男の欲とは逆パターンですな。

ヒロインがヒーローの仕事に気を使い、望むことならなんでも受け入れたい……というスタンスなので、この先も色々としんどそう。
いつか対等の関係になれますように。
(母親になったら変わりそうな気もするが……)

『 侯爵令嬢の婚活 ― 媚薬の失敗により、国王陛下の新妻になってしまった私の顛末 ― / 白花かなで 』 メリッサ

【あらすじ】
抜き差しならない事情により早急に、結婚相手を決めなければいけない侯爵令嬢のイーリス。
国王主催の夜会で、とある地味系伯爵に媚薬を盛り既成事実を作ってしまおうと画策したが、こともあろうに国王エルネストが媚薬入りの果実酒を口にしてしまい…。
エルネストに強引に蕩かされたイーリスを、偽りに塗れた甘すぎる新婚生活が待ち受けていた―!
愛され下手の侯爵令嬢×女性が苦手な国王陛下の溺愛ラブファンタジー


侯爵令嬢の婚活 ―媚薬の失敗により、国王陛下の新妻になってしまった私の顛末― (メリッサ)

侯爵令嬢の婚活 ―媚薬の失敗により、国王陛下の新妻になってしまった私の顛末― (メリッサ)


【感想】
姉からの悪意のない価値観の押し付けにより、望まぬ相手との結婚を決められる寸前の侯爵令嬢×女性全般に対して拒絶反応を起こす国王陛下。

姉の信奉者を伴侶にされては堪らぬと、毒にも薬にもならなそうな地味な伯爵(25歳年上)に媚薬を盛り、穏やかな生活を手にいれようと画策したヒロイン。
しかし、手違いで媚薬入りの葡萄酒を国王が口にしてしまい……。

web版未読、絵師さん買い。
Hシーン多め。
媚薬の真贋については、持ってきた義兄が国王付き補佐官という時点でお察しだが、ヒーローが予想以上に影で頑張ってたのに全く報われてなくて笑った。
自然な出会いを画策しても、何度も何度も邪魔され失敗し……の末がこの計画だったのか………。
しまいには、出会いを演出する前に“最終的には彼女と知り合って結婚するんだから”と先行して花嫁衣装まで作らせる始末。
さすがは29歳の初恋である。
しかし、モカさんの描くヒーローなら許せてしまう。
イラストマジック。

価値観が絶望的に違う華奢で可憐で甘え上手な姉に傷付けられてきたヒロインと、横暴で狡猾な姉妹に虐げられてきたヒーロー。
どちらの状況も私なら耐えられんが、言葉が通じない分ヒロイン姉の方がストレスがたまりそうだ。

ヒロインの義兄(ヒロイン姉の旦那)が嫁をペットとして可愛がってる風で、たぶんこの話の中で彼が一番歪んでる人だったわ。
この場合、彼の中で自分の子どもは人間なのかペットなのか……。

『 ラブパニックは隣から / 有涼汐 』 エタニティ文庫

【あらすじ】
真面目すぎて恋ができない舟。
ある日、彼女は停電中の自宅マンションで階段から落ちそうになったところを謎の男性に助けられた。
暗くて顔はわからなかったが、どうやら同じマンションの住人らしい。
彼にトキメキを感じた舟は、その男性を探し始める。
ところが、一向に男性は見つからないなか、大嫌いな同期が隣に住んでいることが判明!
その日から、彼はなぜか舟に迫ってきて―!?
“チャラ系”男子と堅物女子の恋の攻防戦、文庫だけの書き下ろし番外編も収録!


ラブパニックは隣から (エタニティ文庫)

ラブパニックは隣から (エタニティ文庫)


【感想】
生真面目な企画部ヒロイン×ヒロインと同期のぱっと見チャラ男な営業ヒーロー。

自宅マンションが停電になり、階段から落ちたところを男性に助けられたヒロイン。
暗がりで顔が見えなかったその人を探す一方、嫌いな同期が隣室に住んでいると知り……。

5年前、ヒーローが口にした言葉に傷つき、以来ヒーローが大嫌いなヒロイン。
しかし、停電後のアレコレで意外とすぐに落ちてしまうチョロインであった。
猫のリンちゃんがいい仕事してたわ~。

飼い猫を猫可愛がりするヒーロー。
そして意地っ張りで臆病なヒロインも猫可愛がりするヒーロー。
さらにはにゃんにゃんな格好をさせたがるとか、どんだけ君は猫好きなの……(笑)。

下着泥棒(というか、もはやストーカーでは…)やヒーローの性癖よりも、ヒロインに嫌がらせしてた新人社員がヒーローに何を言われたのかが気になる。。。
ヒーローによるプレゼン風プロポーズは、この2人らしくて良かったと思う。

『 ドクター・デスの遺産 刑事犬養隼人 / 中山七里 』 角川文庫

【あらすじ】
警視庁に入った1人の少年からの通報。
突然自宅にやって来た見知らぬ医師に父親が注射を打たれ、直後に息を引き取ったという。
捜査一課の犬養刑事は少年の母親が「ドクター・デス」を名乗る人物が開設するサイトにアクセスしていたことを突き止める。
安らかで苦痛のない死を20万円で提供するという医師は、一体何者なのか。
難航する捜査を嘲笑うかのように、日本各地で類似の事件が次々と発生する…。
人気シリーズ第4弾!


ドクター・デスの遺産 刑事犬養隼人 (角川文庫)

ドクター・デスの遺産 刑事犬養隼人 (角川文庫)


【感想】
シリーズ4作目。
今回のテーマは安楽死について。

患者の『死ぬ権利』を尊重し苦痛のない死を与えるドクター・デスと、法の番犬として犯人を追う犬養。
法に基づく犬養らの考えも、苦痛と苦しみを早く終わらせたいと望む患者やその家族の想いも、安らぎを与えるのだというドクター・デスの主張も……。
どの考え方も、絶対的に正しいとも絶対に間違っているとも言い切れない……というか、自分をどの立場に置くかで変わりそうだよなぁ。
生死が絡む問題はホント難しい。

犬養刑事の相棒・明日香がどうにも好きになれないのだが、このバディでしばらくは固定なんだろうか……。
どうせなら、葛城刑事に相棒になって欲しいな~。