日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 ハーメルンの誘拐魔 刑事犬養隼人 / 中山七里 』 角川文庫

【あらすじ】
記憶障害を患った15歳の少女、月島香苗が街中で忽然と姿を消した。
現場には「ハーメルンの笛吹き男」の絵葉書が残されていた。
その後少女を狙った誘拐事件が連続して発生、被害者は、子宮頚がんワクチンの副反応による障害を負った者と、ワクチン推進派の医師の娘だった。
そんな中「笛吹き男」から、計70億円の身代金の要求が警察に届く。
少女の命と警察の威信を懸け、孤高の刑事が辿り着いた真実とは―。
人気シリーズ第3弾!


ハーメルンの誘拐魔 刑事犬養隼人 (角川文庫)

ハーメルンの誘拐魔 刑事犬養隼人 (角川文庫)


【感想】
シリーズ3作目。
子宮頚がんワクチンの副反応により記憶障害を患ったとされる少女が忽然と消え、ワクチン接種を推進していた産婦人科協会会長の娘も姿を消す。
どちらも『ハーメルンの笛吹き男』の絵葉書が残されていたことから、連続誘拐事件として捜査が始まるが……。

以前ドラマ化したときの影響か、犬養のビジュアルを沢村一樹で脳内再生しつつ読了(笑)。
きゃんきゃん吠えつく明日香がかなり鬱陶しかったが、友人か姉妹が犬養に振られでもしたんだろうか……。

ワクチン接種の副反応については、他のワクチンにも起こりうる事というのはその通りだが、コレに関しては対象者が若い世代の女性にほぼ限定されてるからね。
何か症状が出て重篤化したとき、夢や将来への展望の全てが壊れてしまうのが怖い。
接種のリスクとメリットを考えて判断するなんて中高生には難しいだろうし。
結局は親の判断によるんだろうけど、娘には受けさせないのに周りには薦めるってのはアカンと思うよ。

スポンサー(製薬会社)の関係で、この話はドラマ化は難しそうだな~(笑)。

『 今度は絶対に邪魔しませんっ! / 空谷玲奈 』

【あらすじ】
異母妹への嫉妬から罪を犯した公爵令嬢ヴィオレットは牢の中でその罪を心から悔いていた。
すると、妹と出会った日へ時が巻き戻ってしまう。
ヴィオレットは決意する。
今度は間違わない。
罪を犯さず、誰の邪魔もせず、平凡に地味に目立たず生きよう。
誰も自分のことを見ていない―と思ったらそんなことはなく、次々と事件が起きて…!?


今度は絶対に邪魔しませんっ!

今度は絶対に邪魔しませんっ!


【感想】
表紙&あらすじ買い、web版未読。
巻数は振られていないがおそらく1巻。
(web版を覗いたらまだ連載中だった)

妻が死んで一週間後に妾と娘を屋敷に連れてきた、ヒロインに無関心な父公爵。
どんなに願っても得られない愛情を求め、王太子に迫り異母妹を虐げ続けた報いを受け、ヒロインは牢に繋がれる。
悔恨の言葉を口にし後悔に泣き……気づくと異母妹と出会った瞬間へと時が巻き戻っていた。

表紙の印象と違い、中身はかなりシリアス。
ヒロインは自己評価が低く後ろ向き思考な子。
心を病んだ実母から父親の身代わりにされ、母亡き後は愛人宅に入り浸りだった父親が愛人を正妻に据え彼女との子を溺愛。
ヒロインには無関心な父親と、無神経な善人の義母&異母妹にイライラしちゃったわ。
2巻が出るなら父親へのザマァとお花畑な義母&異母妹にも反省とか気付きとか、何かしらあって欲しい。

理由は分からないが巻き戻った時間に、今度は同じ罪を犯さぬよう愛は求めるまい、と全てを諦めて生きようとするヒロインが読んでてつらい。
このお話、ハッピーエンドで終わるのか?
時間を戻したのは神様じゃなくてヒロイン至上主義のユランだったりしてね。
ヒロインのためなら、王太子や異母妹を生贄に悪魔を呼び出すくらいしそう(笑)。

回りくどい文章やヒロインのループ思考&暗めの内容なので、疲れてる時に読むとメンタル的につらいかも。
心に余裕があるときに読む方がいいんじゃないかな……というお話でした。

『 老舗にもいろいろありまして / 花川戸菖蒲 』 シャレード文庫

【あらすじ】
春告の実家「染谷」は江戸小紋の老舗の染元ながら家族経営の零細企業。
そんな染谷に大口注文を持ちかけてきたのは室町時代創業の和菓子の名店「九露澤」。
だが両者には江戸時代からの因縁が。
家業の存続かプライドか―春告は専務の黒澤の提案に従い愛人契約を受けることに。
厳格な経営者の反面、私生活では失恋続きのヘタレゲイ・黒澤と、生粋の江戸っ子・春告。
黒澤の一目惚れから始まった老舗版ロミジュリはハッピーエンドとなるや否や!?


老舗にもいろいろありまして (二見書房 シャレード文庫)

老舗にもいろいろありまして (二見書房 シャレード文庫)


【感想】
室町時代創業の老舗和菓子店「九露澤」の長男×江戸小紋の老舗染元「染谷」の長男。

江戸時代からの因縁で、九露澤を怨敵と呼ぶ受の父親(親方)。
三百年ぽっちで水に流せるもんか!という、そのスケール感がすごい。
結局、九露澤のご先祖はなんであんなことしたんだろうね。
そこが知りたかったなぁ。

攻と受、どちらも長男だけど、どちらも事情があって跡取りにはなれない同士。
それもあってか、男同士という面での葛藤は薄かったように思う。
そもそも攻は元からゲイだし。
ただ、受が自分からグイグイ行くほど攻を好きになった過程がちょっと分かりにくかった。
絆されたってことでいいんだろうか。
攻は攻で、ヘタレなスパダリ風に描かれているが、型紙を手に入れるためにしたことを思うとあまり好きになれない。
見習い職人を含め、何人の人生を変えちゃったんだろうか……。

結局、攻の家族内での立ち位置は1mmも変わってないし、思わせ振りに書かれていた高級ゲイクラブの『悠里さん』(セフレかは不明)は受に誤解させるスパイスにもならず、登場すらせずに終わったしで、なんとなくすっきりしないまま読了してしまった。

『 ツンデレ王子の新婚事情 殿下、初夜からすごすぎます / すずね凜 』 ガブリエラ文庫

【あらすじ】
不作に喘ぐ自国のため、大国メルトリアの王弟、ユベールに嫁ぐことになった小国の王女セレスティーナ。
幼い頃から意地悪をされていたので嫌われていると思っていたが、再会したユベールは公の場だけでは仲良くしようと言ってくる。
承諾した翌日から甘い言葉を囁き、優しく接してくるユベール。
「ずっと君に触れたかった」
美しい彼に情熱的に抱かれて蕩けていく身体。
ユベールの愛が本物に思えてきて、とまどうセレスティーナは!?



【感想】
自国の民のため隣国へ嫁いだ小国の王女×ヒロインが好きなのに、顔を合わせると素直になれない大国の王弟殿下。

初恋同士の両片思いもの。
小学生レベルで好きな子をいじめちゃうヒーロー。
初対面でヒロインのふわふわ金髪を「トウモロコシのひげ」と呼び、以降も年に一度しか会えないのに意地悪三昧。
イケメンだから翌年顔を見せればまたときめいて貰えたけど、フツメンだったら嫌われて終わりっスよ、殿下。

わりと最後の方まで愛を告げない割に、閨シーンは激しい2人。
他の方の感想にもあるが、H中のヒーローがちょっとオッサンぽい……(笑)。
この勢いだと、2人が30代になった頃には子どもが8人くらいいそうだわ(笑)。

前国王&兄王が同じ症状だったので肝臓系の何かor毒物が原因で、それをヒロインが突き止めるかヒロインの母国の特産品で改善していくのかと勝手に思っていたので、あの展開は意外だった。
お兄さん、いいとこなくて可哀想……。
シャルル殿下はこれからの成長が楽しみだね。

『 守銭奴騎士が俺を泣かせようとしています / 滝沢晴 』 Ruby collection

【あらすじ】
王国騎士団のドS騎士×涙が魔石となる特異な若者の、痛快バディラブ!

城下町にある酒場の息子リュートは、感情による涙が魔石になるという秘密があった。
魔石は国力を左右する貴重な石。
そんな重要な秘密を、店の常連で「守銭奴」で有名な王国騎士副団長のアドヴァルドに知られてしまう。
「今日から俺のためにいっぱい泣いてもらう」。
秘密と引き替えに婚約者(!?)にされてしまったリュートは、初夜からあの手この手で泣かされてしまい…!?


守銭奴騎士が俺を泣かせようとしています (Ruby collection)

守銭奴騎士が俺を泣かせようとしています (Ruby collection)


【感想】
とある事情で大金を必要としている守銭奴騎士×感情による涙が希少な魔石となる酒場の息子。

読み始めて気づいたが、web版既読。
ルビーもwebから書籍化の時代か……。

作者が濡れ場を書きたくて書き始めたお話なので、Hシーン多め。
アホの子な受が攻以外から性的に酷い目にあうのが痛々しくて辛い。
攻とも無理やり始まりな関係だが、絵本を読み聞かせてあげたりご飯を作ってあげたりと彼なりの優しさが見える。
受を奪われたことで自分の気持ちを自覚し、そこからは利用できるものは全て利用して受を取り戻そうと爆進する攻が良かった。

受の父親の正体と、受け継がれた力を思うと今後も他国から狙われそうだが、受を溺愛する攻が最強の男なのでそっちは大丈夫そう。
五万回以上(笑)も結婚してくれと懇願する攻と、そんな彼を大切に思いながらも容赦なく初志貫徹な受との関係が微笑ましくて好きだ。

『 オネエな伯爵と臆病令嬢の婚約者ごっこ / 白柳いちか 』 ヴァニラ文庫

【あらすじ】
男性恐怖症のフィオナに紹介されたのは高名なデザイナーでもある伯爵セオドア。
ドレスの着心地を追及するため、普段は女装をしているセオドアにフィオナも親しみを覚えていく。
しかし、ある日、男性の姿で現れたセオドアにフィオナは甘く迫られる。
「こんな風に男の形をしていても触れても平気?」
彼からの濃厚な口づけにフィオナはときめいて!?


オネエな伯爵と臆病令嬢の婚約者ごっこ (ヴァニラ文庫)

オネエな伯爵と臆病令嬢の婚約者ごっこ (ヴァニラ文庫)


【感想】
逞しく男らしい男性に恐怖を感じてしまう侯爵令嬢×自身の作るドレスの着心地を確かめるため、普段は女装しドレスを纏っている美しいオネエ系伯爵。

面白かった。
TL界では貴重な、ヒロインの気持ちが追い付くまで手を出さない紳士なヒーローだったよ。
他の方の感想にもある通り、濡れ場ナシでよかったのに!と思うくらいに可愛らしいカップルでした。

自分に関係のない外部の事情に巻き込まれ、幼い頃も現在もヒロインが散々な目に。
昔の事件がなければヒロインのお相手になっていたかもしれない“彼”にも、相応しい相手が現れればいいなと思う。

『 王太子様は、初恋花嫁を逃がさない。2 / 椋本梨戸 』 メリッサ

【あらすじ】
超大国の年下王太子メルヴィンの花嫁になった貧乏国の王女フランセットは、寵妃と名高い一方で、なぜか政務の鬼と恐れられていた。
夫婦円満の秘訣だという可愛げがないことも指摘され、メルヴィンには内緒で研究することに。
お忍びで城下におり探していたところ、元近衛隊長のクリストフと再会するが、彼はメルヴィンを悩ませる剣士団の一員になっていて!?
妻を溺愛する王太子様の嫉妬心はとどまることを知らない!?
新婚溺愛ラブコメ第2弾!!


王太子様は、初恋花嫁を逃がさない。2 (メリッサ)

王太子様は、初恋花嫁を逃がさない。2 (メリッサ)


【感想】
超大国に嫁いだ弱小国の王女×嫁と弟をこよなく愛する王太子

夫の力になりたいと一所懸命になるあまり、周囲に鬼上官・知識欲の鬼と思われていたと知りショックを受けるヒロイン。
いとこに言われ“可愛げ”を身につけるべく奮闘するが……。

1巻ではヒーローが人の話を聞かなかったが、2巻ではヒロインが猪のようにトラブルに突っ込んでいき、やはり人の話を聞いてるようで聞いていなかった。
小国の王女だったときの感覚でフラフラするから危なっかしいよ……。

飯マズ騒動からの刃傷沙汰や、ヒロインが昔の男(←語弊あり)と再会したりでヒーローがいつヤンデレ行動に出るかとハラハラしたが、今回はよく耐えたと思う。
少なくとも監禁はしなかった!(笑)

巻末の番外編で6歳王太子が口にした「生まれたばかりのレイス」って、いままでに出てきたっけ?
その辺を絡めて続編が出るのかな??