日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 魅了が解けた世界では / 暮田呉子 』 レジーナブックス

【あらすじ】
幼い頃からの婚約者を追放し、婚約を破棄をして真実の愛を手に入れたボルビアン国の王子・エリオット。
婚約破棄から5年が経ち、幸せな日々を送る彼の前に隣国ネオシィスト王国からもたらされた一つの魔道具が現れた。
魔道具――銀のブレスレットは毒や呪いを防ぐもの。
そのブレスレットでエリオットは妻・ジュリエナから魅了の呪いを掛けられていたと知り、5年前の婚約破棄について調べなおすことを決意して――。
乙女ゲーム世界の王子、ヒロイン、悪役令嬢、それぞれの思惑が交錯し、真実が明らかになっていく。
物語の終わりの先を描いた真相究明ファンタジー、開幕!



【感想】
親しくしていた男爵令嬢を虐げ殺害を企てたとして、幼い頃からの婚約者を断罪し国外追放した王太子
それから5年後。
『真実の愛』で結ばれた彼女と結婚し、子どもも生まれ幸せな毎日を送っていたが、ある魔道具により自分が妻に魅了の呪いを掛けられていたと知ってしまい……。

乙女ゲーム転生ものを、主に攻略対象目線で描いた作品。
ゲームのハッピーエンド後の世界で正気に戻った人々が、5年前の真相を知っていくんだけど…。
どんどん皆が不幸になっていって、これはこれである意味新鮮だったわ。
悪役令嬢にされた元婚約者以外は誰にも救いがないお話なので、楽しく気楽な話を読みたい時には向かないかも。

結局、ヒロイン(この場合は悪役令嬢)を助けた隣国の王太子たちが、美味しいとこ総取りで一番得したんじゃないかな。
せめて、王太子の幼い息子が引き取られた先で幸せになってくれれば……と思う。