『 白狼さまの恋ぐすり / 雨月夜道 』 角川ルビー文庫
【あらすじ】
人も獣も等しく救う“おくすりさま”と慕われる薬師の弥一は、山の利権を狙う人間と山を守りたい山神との諍いに巻き込まれ、怪我を負う。
そんな弥一を助けたのが、子供の頃に命を救われた白狼の山神・月白だった。
神域の月白の屋敷に連れられた弥一だが、そこで図らずも月白が不治の病に冒されていることを知る。
“命に代えてもお前を治したい”
―可能性を信じ、献身的に治療にあたる弥一が愛おしくて堪らなくなった月白は「これからは本気で口説く」と弥一に宣言して…。
- 作者: 雨月夜道,サマミヤアカザ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/08/01
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る
【感想】
山神様×薬師。
幼い頃、山で死にかけ攻に声をかけられた受。
何の力もないが受を温め励ましてくれた攻に、それから14年間感謝の祈りを捧げてきたが……。
病弱な神様攻と凛々しい人間受という珍しい組み合わせ。
信仰心を糧にする神様は、人の信心がなければ生きていけない。
それでも受からは信仰心ではなく愛が欲しいという攻の気持ちも分かるし、自分が神ではなく個人としての攻に想いを寄せれば寄せるほど彼を死に追いやると恐怖を覚える受の気持ちも分かるし……。
そんな時に色々やらかす頼義が本当にロクでもないわ~。
何人も殺めておいて、なんかめでたしっぽくなってるのが納得出来ぬ。
最初はなんて嫌な奴!!とムカついた攻の兄上様の印象が、読み終わる頃にはお前可愛いな……に変わったのが何となく悔しい(笑)。