日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 エピデミック / 川端裕人 』 集英社文庫

【あらすじ】
東京からほど近い海辺の町で、死に至る肺炎を引き起こす謎の感染症が発生!
重症患者、死者までも急増し、選りすぐりの疫学チームが現場に入るが、なかなか感染源は特定できない…。
感染拡大により医療だけでなく行政がきしみ、市民生活が崩れかけるなか、世界的なパンデミックを防ぐために疫学者たちが立ち向かう。
緊迫の10日間を描く、アウトブレイク小説。
まさに予言の書、緊急復刊!


エピデミック (集英社文庫)

エピデミック (集英社文庫)


【感想】
東京近郊の海辺の町に拡がる謎の感染症
ただのインフルエンザかと思われていたそれは、しかし激しい肺炎の症状を引き起こし、更には昏睡の末死に至る患者も現れて……。

分厚くて(600ページちょっと)読み応えがありそうだな~と購入。
2007年に単行本、2009年に角川文庫で刊行したものを、今回集英社文庫が復刊したらしい。
コロナの影響でこの手の作品の復刻が増えてるよね~。

世界的な感染拡大=パンデミックと違い、このお話は一定の地域や集団においての罹患者の大量発生=エピデミックを描いているので、ハリウッド映画のような派手さはない。
しかも中心となるのが疫学なので、地味で地道な活動が多かった。
ちなみにいつものことながら、小難しい統計や学術的な部分はほぼ飛ばし読み&つまみ読みで読了(笑)。

途中までは、登場人物たちがそれぞれ見つけたもの、気づいたことがそのうち一気に繋がるに違いない!!とワクワクしながら読んでいたのだが、これがなかなか真相に辿り着かず…。
とりあえず原因ウイルスの“この町でのスタート地点”は分かったみたいだけど、そもそもそのウイルスはどこから来たんだろう。
あと、コンピューターの方のウイルスは何のために出てきたんだろ。
今回の件と関係あった?
説明まで読み飛ばしちゃったかなぁ……。

ブルーの素性や元宗教団体の目的も含め、よく分からんまま終わった部分もあり、その辺もすっきりしない。
メインキャラの彼女が倒れたあとの彼女の家族の反応や、町や国がどう対処していったかを他の人目線でいいからきちんと描いて欲しかったな~と思った。