『 首都感染 / 高嶋哲夫 』 講談社文庫
【あらすじ】
二〇××年、中国でサッカー・ワールドカップが開催された。
しかし、スタジアムから遠く離れた雲南省で致死率六〇%の強毒性インフルエンザが出現!
中国当局の封じ込めも破綻し、恐怖のウイルスがついに日本へと向かった。
検疫が破られ都内にも患者が発生。
生き残りを賭け、空前絶後の“東京封鎖”作戦が始まった。
【感想】
W杯開催中の中国に、強毒性の新型インフルエンザが出現。
しかし中国当局はその事実を隠し、ウイルスは帰国者と共に世界中へ広がっていき……。
ハードカバーも含めると再々読。
世界中に新型コロナウイルスが蔓延している今、もう一度読みたくなったのでまた買ってきちゃった。
ちなみに自分の読メの感想を見ると、前回読んだのはデング熱やらエボラ出血熱やらが流行した時だった模様。
以前読んだ時はあくまで物語として読んでいたが、昨日都内で感染者が97人出た状況で読むと、フィクションと現実の境目が揺らぐ瞬間がある。
新型コロナがここまでの致死率じゃないのがせめてもの救いか……。
実際には、東京を封鎖しても近県から通勤している人たちも感染してるだろうし、潜伏期間中に家族やご近所にウイルスを撒き散らしてるだろうから、小説通りに封じ込めるのは難しいだろうけど……。
このお話のように早く有効なワクチンが開発されて、終息宣言される日が来て欲しいと痛切に思う。