日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る / 澤村御影 』 角川文庫

【あらすじ】
「怪異が潜むのは、『日常』と『日常』の隙間にある『非日常』だよ」
―怪異収集家の准教授・高槻と、嘘を聞き分ける耳を持つ大学生・尚哉の下に、小学校で噂のコックリさんの調査依頼が。
「あなたは誰?」という質問の答えは、かつてそのクラスにいた児童の名で―。
ほか、尚哉の耳に異変が起こる中、有名女優から幽霊相談が持ち込まれて…!?
高槻の謎めいた過去も語られ、ますます目が離せない、大人気民俗学ミステリ第2弾!



【感想】
コックリさんと教室のロッカー、ホラー映画の撮影中に現れる女の霊、バス事故でただ1人生き残り奇跡の子と崇められる少女。
どの話も面白かったけど、最後の話は高槻先生が気付かなかったらあの子はどうなっちゃってたんだろう。

高槻の過去がまた少し明かされ、尚哉の中で彼に対する距離感や信頼度が変わってきたのを感じる。
絶対的な愛情で守ってくれるはずの母親からの仕打ち。
高槻がそれでも笑顔を浮かべ生き生きとしていられるのは、側で見守る健ちゃんや預け先だった親戚さんのお陰なのかな。
親戚さんがどんな人か気になるので、どこかで絡んできて欲しい。

尚哉にとって不要物だったはずの『嘘を聞き分ける力』が一時的に消えた時、“普通”になれてスッキリするのではなく、疑心暗鬼になって余計に人と関われなくなったのがリアルだった。
力があってもなくても、変わらず必要としてくれる高槻の存在がありがたい。
2人が経験したあの過去の出来事も、これまでの事件のように説明がつくものなのか……今後の展開が気になる。