日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 愛されオメガの婚姻、そして運命の子 / 華藤えれな 』 ディアプラス文庫

【あらすじ】
十八世紀、ロシア。
オメガでありながらアルファと偽り皇太子を演じるリクは、従者のニコライに密かに想いを寄せていた。
幼い頃は優しかったのにリクを庇って傷を負って以来よそよそしくなってしまった彼は、今は秘密を知る数少ない者として粛々とリクの発情期の熱を受け止めている。
それがもどかしくてならないリクだったが…?
一方のニコライは、誰より愛しいリクを守るため、女帝とある約束を交わしていた。


愛されオメガの婚姻、そして運命の子 (ディアプラス文庫)

愛されオメガの婚姻、そして運命の子 (ディアプラス文庫)


【感想】
無表情で冷徹な従者α×αと偽ることに後ろめたさを感じる皇太子Ω。

なんちゃってロシアが舞台の両片思いオメガバースもの。
母である女帝の命で、自身をαと偽り皇太子を演じる受。
幼い頃から密かに想いを寄せていた攻との関係や、国民を騙していることに苦しみながら日々を過ごすが……。

中編×2本+番外編。
受視点だと見えにくくてモヤモヤしたが、冷たい無表情の裏にある攻の愛がとても重く、受への執着と献身が半端なかった。
女帝は女帝で、実は……の部分を知ると最初の印象とはだいぶ違ったしね。
でも、受の婚約者があそこで流産しなかったら受は結婚せざるを得なかったかもしれないし、そしたら攻との関係は余計拗れただろうなぁ。
そう考えると……うーん、王家ってやっぱり面倒くさい。

シリアス寄りだった本編から一転、あとがきの後にある番外編の攻が大人げなさすぎて笑った。
受が大好きすぎて、息子相手でも受を譲らない攻。
購入特典のSSペーパーでも、屁理屈こねて受への独占欲を隠さないし。
きっと女帝はポーリャの日記を、生暖かい目をして読んだんだろうな……(笑)。