日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 SCS ストーカー犯罪対策室 (上) / 五十嵐貴久 』 光文社文庫

【あらすじ】
白井有梨が所属する新品川署ストーカー犯罪対策室(SCS)には、日々ストーカーにまつわる相談が寄せられている。
解決に奔走する一方、有梨自身も「S」と名乗る人物から、無数のメールを送りつけられていた。
監視されているとしか思えない内容のメールを、いったい誰が、どうやって?
有梨は数々のストーカー犯罪と対峙しながら、自らの問題を解決できるのか!?
ストーカー対策専門チーム“SCS”が、様々な事案に挑む、傑作警察ミステリー!


SCS ストーカー犯罪対策室(上) (光文社文庫)

SCS ストーカー犯罪対策室(上) (光文社文庫)


【感想】
短編5つ。
ストーカー犯罪対策室の女性刑事が主人公。
ただ相談を受け、事件を解決していく……という単純な話ではなく、無事解決出来たものもあれば相談者が殺害されてしまうものもあり、事件の内容がバラエティーに富んでいて最後まで飽きずに読めた。
主人公自身、現在進行形でストーカー被害に遭っている…というところもポイント。

“S”の正体は誰なのか。
いつも盛大に外す私の野生の勘は、主人公の元カレのお姉さん or ロッカーで飛ばし携帯を見つけたと主張している彼が怪しいと囁いてるんだけど……真相はいかに(笑)。
続きが気になるので、このまま下巻へ突入!

『 忍者だけど、OLやってます オフィス忍者合戦の巻 / 橘もも 』MF文庫ダ・ヴィンチ mewシリーズ

【あらすじ】
忍者の里の頭領娘でありながら、里を飛び出した抜け忍OL・陽菜子。
危険を冒して再び忍術に手を染めたのは、類まれなる能天気男・和泉沢の立場と、彼の祖父がつくった会社を守るためだった。
ところが一難去ってまた一難、上海との提携話を装って近づいてきたのは因縁深い宿敵の忍者。
元許嫁で外務省勤務のドS忍者・惣真とタッグを組んで、今度はオフィスを戦場に忍者合戦をすることに―。
陽菜子の戦いと恋の行方は?



【感想】
シリーズ2作目。
2016年3月初版でそれ以降続刊が出てないから、これで完結なのかな?
4年近くも積んでたのか……と反省しつつ読了(笑)。

前回は会社の合併絡み、今回は上海の会社が業務提携をちらつかせて接近。
しかし、どちらも裏には忍の姿と思惑が……。

ヒロインが覚悟を決め、自分の望みを自覚。
約束をずっと忘れられてた惣馬に同情を禁じ得ない…(苦笑)。
こんな大切な思い出はちゃんと覚えておこうよ!

ちょっぴりデレた(?)惣馬に、おおぉ~となったが、それ以上におおおぉー!?な和泉沢に色々持っていかれたわ。
賢いお馬鹿な和泉沢の、ゆるゆるだけど意外と鋭い観察眼や、我が身を盾とし周りを守ろうとする強さ、そして彼のおおらかさ等々、私の中の和泉沢株UP↑なお話だったわ~。

ところで、大河内のじーさまは結局何者だったんだろか。
惣馬の反応からすると、かなり大物なんだろうなぁ。
彼のためにも、ばーちゃんや和泉沢のためにも、與太郎じーちゃんにはもう1度元気になって欲しい。

『 忍者だけど、OLやってます / 橘もも 』 MF文庫ダ・ヴィンチ mewシリーズ

【あらすじ】
上司のくせに何かと私を頼る和泉沢創。
会長の孫にして東大の院卒、モデル体型というスペックだけは最強のこの男、今回やらかしたのは重要書類の紛失。
見つけ出すのは会社のためにも必要なこと。
里を飛び出してから封印してきた忍術をついに解禁するときがきたのか。
得意の変身術を駆使して調査を始めた陽菜子の前に、ドSなイケメン忍者のあいつが立ちふさがる。



【感想】
合理的な忍の思考に共感できず里を捨てた頭領の元跡取り娘。
いまはOLとして働いているヒロインが、ぼんくら御曹司が持ち込んだ厄介事を解決するため、封印していた忍の技を再び使うことになり……なお話。

文字が大きくてそんなに厚みもないので、来月の再文庫化は2巻も併せて1冊にまとめるのかな?
タイトルや表紙は軽い印象だが、内容は陰謀あり暴力ありと意外と重い部分も。

見た目だけならイケメンが3人も出てくるんだけどね。
どれも難ありな問題物件だったわ……。
泉沢はなー、友人ならいいんだけどなー。
恋人や伴侶となると、手綱……じゃなくてリードをしっかり引っ張ってくれる人じゃないとダメだろうね。
元許嫁で次期頭領の彼は、もしもアレが本当だとしても、日常会話があんなにギスギスしてるのはちょっと……心が荒んじゃいそう。
も少しデレてくれたらポジション的にも最高なんだけど!(笑)

それにしてもヒロイン、毎朝化粧に2時間は大変そうだ……崩れるのは15分なのに。。。

『 私と彼のお見合い事情 / 幸村真桜 』 エタニティブックスRouge

【あらすじ】
ある日、双子の妹の身代わりとしてワケアリ御曹司とお見合いさせられた碧。
ハイスペックながら、かなりの問題物件な相手に思わず素でキレてしまったら―なぜか気に入られ怒濤の求愛が始まって!?
第11回恋愛小説大賞エタニティ賞受賞作待望の書籍化!


私と彼のお見合い事情 (エタニティブックスRouge)

私と彼のお見合い事情 (エタニティブックスRouge)


【感想】
双子の妹を溺愛する両親の命令で、仮病の妹の代わりにお見合いに臨んだヒロイン×何度破談にしても湧いて出る見合い話にうんざりしていた大企業の御曹司。

双子の妹ばかり甘やかす両親と、我が儘に育って姉の大切なものを奪っていく妹という、碌でもない家族。
特に母親にはイライラさせられっぱなしだったわ。
見合いも2度のデートも姉が身代わりで行ったのに、妹が選ばれるべきと思ってる母の思考が謎すぎる。

我慢すること、甘える相手がいないことに慣れてしまい、ヒーローを頼ることが出来ないヒロインが不憫。
でも、母親と対決の時はまだしも、大和母に揺さぶられた時の選択はよろしくないね。
これはヒーローが可哀想。
顔と財力だけでなく、懐も深い男でよかったよ。
個人的には、『僕』の時より『俺』の方が好きだった。

最後、ヒロイン妹のことや母の態度軟化など、ご都合主義なところは気になったけど、溺愛ヒーローは見てて楽しかった。
ヒロインがいなくなって、大和の方も海外へ行ってる場合じゃなくなったと思うんだけど、例の海外研修はどうなったのかな~とちょっと気になる。

『 プリンの田中さんはケダモノ。 / 雪兎ざっく 』 エタニティ文庫

【あらすじ】
人の名前を覚えるのが苦手なのに、突然部署異動を命じられてしまったOLの千尋
異動先ではろくな自己紹介をしてもらえず、悪戦苦闘の日々…。
そんな中、大好物のプリンとともに救いの手を差し伸べてくれる人物が現れた!
千尋は彼に『プリンの田中さん』というあだ名をつけ、親睦を深めていく。
しかしある時、彼の態度が豹変!?
今度は千尋が美味しく頂かれてしまい―?
やり手営業マンと鈍感OLの極甘ラブストーリー、文庫だけの書き下ろし番外編も収録!


プリンの田中さんはケダモノ。 (エタニティ文庫)

プリンの田中さんはケダモノ。 (エタニティ文庫)


【感想】
イケメン揃いの営業一課へ異動となった、人の顔が覚えられない事務ヒロイン×たまたまヒロインにプリンをあげたことで、『プリンの田中さん』と認識された営業ヒーロー。

ちょっとヒーローがケダモノ過ぎる感はあるが、概ね楽しく読了。
私もどんなに頑張っても(1ヶ月くらいかけないと)人の顔と名前が覚えられないので、ヒロインの気持ちはよく分かる。

社内で『イケメン御三家』と噂されるヒーローが、自分を全く意識しないヒロインにやきもきしたり不安になったり。
意外と乙女思考で面倒くさいことになってるのも含め、可愛かった。
でも初デートの盛り具合はアカンと思う。
身体目当てなの!?ってヒロインに思われなくてよかったね。

前任の営業事務が何かを仕掛けてくるのかと思っていたら、敵は別の所にいたよ。
しかも、ヒロインの敵じゃなくてヒーローの敵が(笑)。
この先も彼らはくだらない張り合い勝負をしていくのだろうか……。

いつか他の御三家の話が出て、そこに文房具愛を仕事に生かすヒロインや、彼女と結婚したくて必死なヒーローの姿が書かれてたらいいな~。

『 S系エリートの御用達になりまして / 砂原雑音 』 エタニティブックスRouge

【あらすじ】
とある事情から転職した、カフェ店員の茉奈。
心機一転、新しいお店で働き始めたところ、大企業の取締役になった幼馴染の彰が現れた!
魅力たっぷりな大人の男に成長した彼は、昔以上のドSっぷりを発揮し、茉奈に執着してきて―
俺様御曹司とのラブ攻防戦。



【感想】
店長(既婚者)にしつこく言い寄られ、仕事を辞め住居も変えたカフェ店員ヒロイン×共通の幼馴染からヒロインの窮状を知り、密かに手を貸した御曹司ヒーロー。

来月文庫化するので、その前に積み本タワーから発掘。
そんなんばっかりだな、私(笑)。

意地悪ばかりされた記憶からヒーローが苦手なヒロインと、ヒロインが可愛くて泣かせてみたくなるヒーロー。
子どもの時から好きだった……ではなく、再会して同じ時間を共有していくなかで惹かれていく……ってのがリアル。
でもそうなると、最初のキスはなんだったんだ……?と思わなくもない。

2人の仲を邪魔しようとする悪役令嬢(笑)は、もう少し粘ると思ったんだけどな。
意外とあっさり引いてったね。
どうせなら、最後にハンカチを渡して貸し借りナシにしたかったなぁ。

『 スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス / 志駕晃 』 宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ

【あらすじ】
OLの有希は公園でスマホを拾う。
無事落とし主に返したのだが、それを機に身のまわりで不可解な出来事が起こり始める。
それは日本を震撼させる大事件の前触れだった。
一方、刑事の桐野は内閣サイバーセキュリティセンターに出向することになる。
東京オリンピックを標的にしたサイバーテロにある人物が協力するとわかったからだ。
しかし「センター内にスパイがいる」という手紙が届き―。



【感想】
シリーズ3作目。
スマホを落としただけなのに……ではなく、拾っただけなのに、なお話。
前作までを読んでいないと分かりづらいと思う。

話が桐野vs浦井というより日本vs北朝鮮ぽくなってきて、1作目のときの身近な恐怖感はなくなっちゃったなぁ。
初代主役の富田&あさみんが出てきて懐かしかったけど、車の中のあさみんは風邪を引く前に救出して貰えたんだろうか。
富田くんはだいぶ危機管理意識が育ってたね。

桐野父の死の真相は分かったが、浦井絡みでまだ話は続きそう。
今回は北朝鮮やら五輪やらと他人事な事件ばかりだったので、次回はまた身近なモノを題材にした話に戻って欲しいな。


今回の2刷で直して欲しいコーナーは、206ページの最後の行。
『夜陰にまみれて新潟沖に停泊……』とあるが、『夜陰に紛れて』じゃないかなぁ。
夜陰にまみれるって表現、あったっけ?