日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼] / 荻原規子 』 角川文庫

【あらすじ】
小犬の姿をした「八百万の神」(モノクロ)と暮らす大学生の美綾。
読んだばかりの『将門記』についてモノクロと話していると、「一緒にその時代を見に行かないか」と誘ってきた。
次の瞬間、美綾はモノクロと共に意識体となって本物の将門の時代へ飛んでいた。
平将門が若きリーダーとして確かに存在しており、目の前に現れる!
意識だけの感覚に徐々に慣れた美綾はモノクロと別行動を取っていると、アクシデントが起こり、将門の護衛を務める蝦夷の少女ユカラの身体に閉じ込められてしまうが、ユカラの将門への気持ちを知ることに。
やがて「えやみ」という邪悪な呪術が絡んだ親族との戦いが起きる。
一方で「えやみ」を浄化しようとする「山の民」が変化したオオカミたちが、ユカラに力添えをして将門を危機から救おうとするが……。



【感想】
犬(パピヨン)姿の神様・モノクロと暮らす美綾。
将門記』を読み、平将門について話していると、「いっしょに十世紀へ行ってみる気はあるか」と意識体の時間移動に誘われて……。

1巻2巻は大学生としての日常が中心だったが、この3作目は過去へ飛んで歴史上の人物を観察(?)するという、歴史ファンタジー的なお話だった。
日本史はあまり得意ではないので、平も源も登場人物の血縁関係は割とあやふやなまま読み進めたが、中盤からは先が気になってグイグイ読めた。
そこまで好きなキャラではなかったが、それでもユカラの最期は切ない。
誰が忘れても、将門には覚えてて欲しいわ…。

モノクロの人間ver.に名前がつき、美綾が恋心を自覚し……その辺りが次のお話にどう影響するのか楽しみ。
厄介さんな飛葉がまた絡んでくるのかなぁ。
あの人、ムカつくからもう来なくていいんだけどな(笑)。

あの時代のオオカミの子孫は、現代でも生き残っているんだろうか。
狼じゃなくてオオカミって感じで格好良かったな~。