『 俺サマ作家に書かせるのがお仕事です! / あさぎ千夜春 』 SKYHIGH文庫
【あらすじ】
一葉物産の広報編集室の編集・櫻井真央は、ここから出ている覆面作家RUIの十年前に完結した『マオの旅』シリーズの大ファンだ。
だが突然、社長の柳澤から広報編集室をつぶし『マオの旅』の版権を売ると言われ、思わず編集室の継続を直談判する。
その結果、一ヶ月で『マオの旅』の新作が取れれば継続してもらえることに。
だが、たどり着いたRUIの家から出てきたのは二十代半ばの不機嫌そうな方丈という青年で…。
引きこもりイケメン作家×新米編集の仕事と恋!
俺サマ作家に書かせるのがお仕事です! (SKYHIGH文庫)
- 作者:あさぎ千夜春
- 発売日: 2020/06/10
- メディア: 文庫
【感想】
広報編集室の編集者×書くことをやめた覆面作家。
10年前に発売された児童書『マオの旅』シリーズの大ファンのヒロイン。
好きが高じて今ではそれを出版した会社に勤めているが、新社長に本の版権を売り編集室は潰すと言われてしまい……。
ヒロインがとにかく『マオの旅』が大好きで大好きで、毎日本を持ち歩き、卒論もマオの旅に絡めて書き、入社試験でも熱く語り、作中では世間に“狂気のポスター”と評されるポスターを作成するほどの熱烈なファン。
男の好みも作品に影響されてるんだから相当だよなぁ。
そんなにも愛する本に出逢えたヒロインがちょっと羨ましい。
RUIの語る過去は子どもが体験するにはあまりに哀しいもので、お金って本当に厄介なものだと思った。
母親の現況は分かったけど父親は今頃どこでどんな暮らしをしてるんだろう。
ヒロインとだいふくと一緒に過ごす日々の中で、おじいちゃん以外の『家族』の温もりをたくさん知って欲しいな。
あ、ちなみに、タイトルにあるようなオレ様作家なんかじゃなくて、自分を責め淋しい少年の心のまま引きこもってる……けど意外と押せ押せな作家センセーでした。
これ、新社長とか元カレがヒーロー役でもなんか書けそうだなぁ。
誤字脱字がチラホラあるのがちょい残念。
『の』がダブってるのはまだいいとして(いいのか)、古時計が『古とき計』になってるのはせめて直して欲しい……。
特典SSペーパーは、休日の2人の過ごし方の話。
↑
サイン本でした。