『 首領ジーノは家族思いな情熱家 / 佐倉温 』 角川ルビー文庫

【あらすじ】
シチリアンマフィアの首領ジーノ・ビスコンティは、幼少期に父から過酷な仕打ちを受け、若くしてファミリーの頂点に立つために心を凍らせて生きてきた。
身内の裏切りによって襲撃を受けたジーノは重傷を負うが、冴えない青年・優と幼い少女・サラに助けられる。
身を寄せ合って暮らす二人に、ジーノは懐かしさを覚える。
そして警戒心は強いが見返りを求めない優しさを持つ優に、ジーノは次第に惹かれていく。
だが二人は隠れ住まなければいけない秘密を抱えており…？

首領ジーノは家族思いな情熱家 (角川ルビー文庫)

【感想】
冷酷なマフィアの首領×幼い少女とひっそり暮らす訳あり日本人青年。

極道さんシリーズのスピンオフ。
史の伯父で、シチリアンマフィアのボス・ジーノが主役。
本編で史を連れ去ろうと乗り込んできた時は、鼻持ちならない傲慢な奴だと思ったんだけどね。
こうやって、優とサラが大切過ぎて臆病になる彼の姿を見ると、ヘタレで可愛いじゃん……とニヤニヤしちゃうわ。
彼ら以外には冷静で冷酷で冷徹ってのもいいよね～。

気持ちを自覚してからのジーノが、どんどん賢吾化していってなんか面白かったわ。
同族嫌悪しつつも通じあっちゃうところも善きかな。

それにしても、シチリアンマフィアと極道の接近に神経を尖らせているであろう日本の警察(公安とかその辺含め)には、
「大丈夫ですよ～。こいつら、イチャついてるか痴話喧嘩してるか仲良くケンカしてじゃれあってるだけなんで！」
って教えてあげたいわ。
早く向こうが片付いて、イタリアで3人で暮らせるといいよね。
そしたら極道さん本編で、イタリア旅行編とか出てきそうで楽しみ。

封入の初回特典SSペーパーは、東雲邸にやってきたジーノ＆優を賢吾視点で。
甘い言葉を垂れ流し続けるジーノにイタリアの血を感じる……(笑)。