『 蠱峯神 よろず建物因縁帳 / 内藤了 』 講談社タイガ
【あらすじ】
設計士・長坂から緊急要請。
出入り不能の屋根裏に祀られた神が、市の職員を惨殺した疑惑が浮上する。
地域を護る善神はなぜ変貌を遂げたのか。
吉備津にて隠温羅流の祖にたどり着いた春菜と仙龍は、ついに神代へとつながる悲しい因果の糸を掴み取る。
仙龍の命を削る瘴気の鎖は切断できるのか――因縁帳、終章開幕！
【感想】
隠温羅流の起源を求め、仙龍やコーイチと共に岡山の吉備津を訪れた春菜。
神、人、鬼が絡み合う因縁を辿り、ついに隠温羅の祖へとたどり着くが……。
シリーズ9作目。
いやー、とうとうここまで来たねぇ。
吉備津神社、たたら、パグ男の依頼……それに棟梁の見た夢や春菜が視た光景がそれぞれパズルのピースのように嵌まっていって、一気に謎が解けていくのが面白かった。
シリーズ開始時はまったく好感を持てなかった春菜が、まさかこんなにも活躍するなんてあの頃は思いもしなかったよ。
仙龍が大ウケしていた『呪い』への回答もいいよね。
春菜の気持ちになって、相手をパグ男に設定するとよーーーく分かるわ(笑)。
コーイチ(何気に高スペックだよね)の法被式、仙龍からのプロポーズ…と希望に満ちたエピローグに油断していたら、最後の最後にアレが……。
何で今になって棟梁に順番が回ってきちゃったの？？(涙)
どんなに光景としては壮観でも、早くにこの世を去ったご先祖様たちと一緒に棟梁が鎖(因縁)を曳いていくとか、仙龍が落ちないように鎖を支えるとか………
そんなのは見たくないので、手遅れになる前に春菜が鎖を切る方法を見つけてくれるよう祈りたい。
次巻の最終巻、冬まで待ちきれないので少しでも早くお願いします！(笑)
↑ サイン本でした ↑
