日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 悪役令嬢の中の人 / まきぶろ 』 一迅社ノベルス

【あらすじ】
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したエミは、ヒロインの《星の乙女》に陥れられ、婚約破棄と同時に《星の乙女》の命を狙ったと断罪された。
婚約者とも幼馴染みとも義弟とも信頼関係を築けたと思っていたのに……。
ショックでエミは意識を失い、代わりに中からずっとエミを見守っていた本来の悪役令嬢レミリアが目覚める。
わたくしはお前達を許さない。
レミリアはエミを貶めた者達への復讐を誓い――!?
苛烈で華麗な悪役令嬢の復讐劇開幕!!


悪役令嬢の中の人 (一迅社ノベルス)

悪役令嬢の中の人 (一迅社ノベルス)

  • 作者:まきぶろ
  • 発売日: 2021/02/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


【感想】
日本で亡くなり、気づくと乙女ゲームの悪役令嬢になっていたエミ。
大好きだったレミリアが幸せになれるようにと努力を重ねてきたが、11年後に現れたゲームヒロインに陥れられ絶望し……意識を失うと同時に、本来の悪役令嬢レミリアが目覚める。
レミリアは、愛するエミを貶めたゲームヒロインや攻略対象たちに復讐を誓い……。

悪役令嬢による復讐もの。
本編は本の半分ほどで、後半は番外編がいくつか。
復讐の土台を整えていく中、『エミならどうするか』を常に意識して優しく清らかなレミリアとして言動に気を配っているので、第3者から見ると彼女はまるで聖女。
悪役思考と聖女と崇められる行動との対比が面白かった。
本当の目的や事情は側近にも将来の伴侶にも明かさないが、彼女の中にはエミが眠っているから孤独ではないし常に充足しているというのが新鮮だった。

ゲームヒロインには壮絶な末路、甘ったれな攻略対象たちにはそれなりの結末が用意され、ヒーロー(むしろチョロイン枠)はヒロインの手のひらでコロコロと……。
いや、ヒーローどんだけヘタレよ(笑)。
エミだけでなく、可哀想な本当の星の乙女にもこの先たくさん愛されて幸せになる未来が待っているようで良かった。
エミに対する愛が重いレミリアも幸せ、レミリアが大好きな魔王様も幸せでめでたしめでたし!(多分)なお話でした。


あ、もし2刷が出るようなら、60ページ最後の行でエミとレミリアが混ざって『レミ』になってるのを直しておいていただけると……。