日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 バクテリア・ハザード / 高嶋哲夫 』 集英社文庫

【あらすじ】
天才科学者・山之内明が発明した「ペトロバグ」。
それは、石油を生成するとてつもない細菌であった。
世界の石油市場を根本から覆し、戦争にまで発展しかねない脅威を感じた石油メジャーは、山之内殺害およびペトロバグ略奪の指令を発した。
目に見えない細菌が、時に驚くべき能力を発揮し、その強力さゆえに人類の危機をも引き起こす…。
来るべき脅威に警鐘を鳴らす、著者の新たな“予言の書”。


バクテリア・ハザード (集英社文庫)

バクテリア・ハザード (集英社文庫)


【感想】
日本の研究所が炭素系物質を石油に変えるバクテリアを発見。
無機物だけでなく有機物(人間含む)すら石油にしてしまうそれを巡り、各国の思惑が入り乱れ……。

読了後に調べたら、これって実際に研究されてる分野なのね。
石油の枯渇まであと40年とか50年とか言われている中、こんな細菌が見つかったら争奪戦になるだろう。
作中、奪い合いだけでなくこの世から抹殺したがる人たちがいるのがリアルだった
。確かに産油国にとっては脅威以外の何者でもないもんね……。
入手したのが北の将軍サマの国だったら、躊躇なく人間が石油化されそうで怖い。

手段を選ばず奪おうとする石油メジャーと、自分たちを脅かすものは全て消し去りたいOPEC
そして、ことの重要性を理解せず放置している日本政府……って、ちょっとしっかりしてよ、日本(笑)。
若手官僚くんがもっと頑張るかと思ったけど、途中から出てこなくなったのが残念だったな。
もしも彼が主人公だったら、また違う結末になったんだろうか。