『 Sweet Secret / 栢野すばる 』 エタニティ文庫

【あらすじ】
周囲に正体を隠しながら「官能小説家」として活躍している詩織。
実はお嬢様でもある彼女は、子供の頃からの許婚と、この度めでたく結婚することになった。
密かに憧れていた彼との生活は嬉しいけれど、家族にも内緒にしている自分の職業がバレたら、きっと婚約破棄されてしまう！
焦った詩織は、なんとか秘密を隠し通そうと奮闘するが…！？
彼女の全てを知りたい彼×隠したい彼女の恋愛攻防戦スタート！
文庫だけの書き下ろし番外編も収録！

Sweet Secret (エタニティ文庫)

【感想】
女性向け官能小説家のお嬢様×イケメンエリート御曹司。

幼少時から決まっていた婚約者同士。
家同士で決めた婚約だから結婚してくれるんだろうな……と何となく思っていたヒロインに、5年間の海外赴任から戻った年上婚約者はグイグイ迫る。

前半、職業バレしたくないヒロインがヒーローといるとき常に上の空で、彼が可哀想になってしまった。
プロポーズしてもあんまり嬉しそうじゃないし、家に絶対あげてくれないし、デートは寝坊でドタキャンだし……。
こんな仕打ちをされてもヒロイン一筋のヒーローはホントいい男だわ。
ドタキャンされて迎えに行ったら、いかにも慌ててシャワー浴びました！って状態で、しかも家には入れようとしないとか……そりゃぁ浮気を疑いたくもなるだろう。

ヒーローを完璧な王子様だと思っていたヒロインが、相手の人間的な部分に気付き憧れが恋や愛に変わっていくのを見て、ヒーローよかったねぇ……と親戚のおばちゃんみたいな心境になってしまったよ(笑)。
この手の小説では珍しく、読み手をヒロインよりもヒーロー贔屓にさせる作品だったな。
(私だけかもしれないけど)

嫁が書いた小説を参考にH……が今は楽しいヒーロー氏のようだが、そのうち彼が仕掛けるシチュエーションがヒロインの作品に反映される日が来たりしてね(笑)。