日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 竜と流木 / 篠田節子 』 講談社文庫

【あらすじ】
水の守り神とも称される愛くるしい両生類ウアブに魅せられ、太平洋の小島ミクロ・タタに通う若き研究者ジョージ。
だが、インフラ開発で高級リゾートの人工池に棲息の場を移されたウアブに、大量死が起こる。
それは悪夢の幕開けだった―。
禁忌に触れた人類を生態系の暴走が襲う、圧巻のバイオミステリー!


竜と流木 (講談社文庫)

竜と流木 (講談社文庫)


【感想】
可愛いから……と自然界の動植物を安易に移動させることの危険性。
生き物の環境適応能力の高さや生への執着、人間の自分勝手さなどが描かれた生物パニック小説。

一時期流行ったウーパールーパーも、飼えなくなって川や池(トイレってのも聞いたことある)に放した人がいたみたいだし、そうやって無自覚に生態系を壊してる人は結構いそう。
カミツキガメブラックバスもそうだし、逆に日本固有種のメダカやタンポポ達は外来種に押されて減少しちゃってるよね。

物語に出てくる『ウアブ』を主人公たちが守りたくなる気持ちは分かるけど、あの方法がNGならどうすれば良かったんだろうか。
結局、人間が自分たちの便利さや利権のために島に手を入れた時点で、もう詰んでたのかなぁ……。

なんとなく映像化したら面白そうだな~と思ったけど、“謝肉祭”シーンのエグさとアレにたかる大量のムシの蠢きは見るだけでゾワゾワしちゃいそう。
南の島のバカンスは魅力的だけど、私はきっと作られたパラダイスの中以外では生きていけないな……。