日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 疵物の戀 / 沙野風結子 』 キャラ文庫

【あらすじ】
俺の開発したシステムが、軍事目的で海外から狙われている!?
拉致の危険から、24時間警護の対象となった研究者の真智。
現れた担当SPの玖島は、なんと高校時代に恋心を抱いていた先輩だった!!
13年前借金のカタに、玖島は真智の家で下働きを強いられていた。
先輩はきっと俺を憎んでいる――
昔の恋を燻らせる真智だけれど、過去には一切触れずに身を挺して真智を護る玖島の真意はわからず!?


疵物の戀 (キャラ文庫)

疵物の戀 (キャラ文庫)


【感想】
警視庁所属のSP×介護専門企業の研究職。

介護や医療のための、とあるシステムを開発した受。
そのシステムを軍事利用するため、プロジェクトメンバーを拉致しようとする動きがある……と国から護衛SPが派遣されるが、やってきたのは高校時代の先輩で……。

先輩後輩の再会もの。
憧れと罪悪感と歪な関係に満ちた高校時代のエピソードが辛い。
受はあんなにも純粋なのに、悪徳金貸しの父親がクソすぎる。
息子の憧れの先輩だと分かっていて攻を“犬”として与え、全裸・四つん這いでワンとか……あー、思い出すだけでムカムカするわ!

再会後はいままでの分を取り戻す勢いで甘々になるのかな~、どんなハッピーエンドになるのかな~…と読み進めていたんだけど……。
そうかぁ、そういう選択をしたかぁ。
仕方ないのは分かってるけど、これまで積み重ねてきたものがゼロになってしまったのが悲しい。
攻に何かを要求されても、ちゃんと拒絶出来る強さのある受が好きだったよ。
いまの受にはまだ難しいかもしれないけど、共に過ごす日々の中で、新たな関係を築きながら(心も含め)以前のような強い子になって欲しいな。

前半は受視点、後半を攻視点で読めたので、攻の過去の心情が分かってよかった。
屈折してるけど、辛いだけじゃなかったのが救い。