『 あだしの屋敷の手伝い花嫁 けものけだものばけものだもの! / 中村朱里 』 一迅社文庫アイリス
【あらすじ】
「――当家に女房をよこせ」
人外の化け物を統べる「化野家」からの命令に、白羽の矢が立ったのは異界から召喚された少女だったはずなのに……。
なぜか、あれよあれよという間に、その少女の身代わりになることになってしまった宝生家の姫・櫻子。
彼女は、言われるがまま化け物屋敷と恐れられる化野家に嫁ぐことに。
ところが、当主の征獣狼から、必要なのは花嫁ではなくお手伝いさんだと言われてしまって!?
身代わり花嫁になるはずが、お手伝いとして働くことになってしまった姫君の和風ラブファンタジー。
あだしの屋敷の手伝い花嫁 けものけだものばけものだもの! (一迅社文庫アイリス)
- 作者:中村 朱里
- 発売日: 2020/07/20
- メディア: 文庫
【感想】
おっとりとした箱入りのお姫様×全てのケモノやバケモノを統べる化野家の当主。
身代わりの花嫁として化野家に嫁いだはずが、先方が必要としていたのは『お手伝いさん』。
生家に戻れぬヒロインは、そのまま屋敷で働くことになるが……。
和風ファンタジー。
お姫様ではなく御姫様(おひいさま)といった方がしっくりくる、独特の雰囲気のヒロイン。
何かあっても「あらあらまあまあ」で済ませてしまうので、彼女のペースを受け入れられるかどうかで好き嫌いが分かれそう。
ある理由から引け目や孤独を感じていたヒロインが、異界から来た少女に様々なものを奪われ、それでもおっとりと微笑みすべてを諦めているのがもどかしい。
御三家の男どもの言動は彼女を守るためだった…ってことでいいのかな?
お兄様含め、みんな色々と拗らせてるなぁ……。
召喚されてきた少女があからさまにマウント取ろうとしてきても、「然様でございますね」と本心から肯定するヒロイン……純粋培養の御姫様ってすごいなぁ。
これからは化野のお屋敷で、ヒーローや吉宝丸やケモノたちと笑顔溢れる『家族』を作っていって欲しい。(吉宝丸好き!)
……いまのところ、“次の当主”や“その次の当主”の隣に誰もいない未来が確定してるようなので、どうにかしていまの2人がずっと寄り添える未来に変わって欲しいなぁ…。
特典のSSペーパーは、ヒロインの髪を結うと言い出したヒーローの話。