日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 怨毒草紙 よろず建物因縁帳 / 内藤了 』 講談社タイガ

【あらすじ】
死際の翁は生首の絵を描いていたそうだ。
持仏堂を曳いた後、怪異が起こるようになった東按寺。
調査に出た春菜は、無残な死に様の死体が転がる地獄を幻視する。
なぜ怪異は起きたのか。
死期の迫る曳き屋・仙龍は、春菜が幻覚を視ている間、地獄を描きたい欲求に囚われたことに注目する――。
歪んだ情念を生き血で描いた怨毒草紙、その奥に潜む冥き陰謀とは。
因縁帳、転ず。


怨毒草紙 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)

怨毒草紙 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)

  • 作者:内藤 了
  • 発売日: 2020/06/19
  • メディア: 文庫


【感想】
仙龍に絡まる因縁の鎖を断ち切る決意をし、初めて“表”の曳き屋業者の現場を見学した春菜。
隠温羅の『因』のない、ごく普通の持仏堂の曳家のはずだったが、その日を境に近辺で血生臭い怪異と人死が起こるようになり……。

シリーズ7作目。
自分の想いを自覚し、仙龍を死なせまいと動く春菜。
今回はコーイチが漢を見せたね。
仙龍死亡ENDの場合は、春菜を支える役はコーイチだろうな。
そんな終わりは来て欲しくないし、来ないと信じてるけど…。

美しい女たちが傷つけられ、無惨な死を遂げたり生きながら獣に喰らわれる。
そんな絵に価値を見出だし、高値で取引する人間が江戸時代(もしかするともっと前)からいるのか。
現代人がエログロスプラッタ映画を見るような感覚なのかしら。
錦絵も写生帖も闇夜で視る幻影も、どの状態でも私は無理だわ。
結構酷い目に逢ってるのに、めげない春菜はすごい。

隠温羅流発祥の地を求め、本格的に動き出した春菜。
次巻は長野を離れ、出雲の地へ。
続きは冬までお預けかぁ……。