日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 花嫁は神の庭で愛される / 一文字鈴 』 リンクスロマンス

【あらすじ】
青元神社に生まれた藤波由弦は、五歳の時、嵐の夜に土地の守り神である天狐の蓮に出会う。
蓮は高貴で美しく、その出会いは幼い由弦の記憶に深く刻まれた。
それから十六年、再び蓮と再会した由弦は、彼が棲む神の庭に招かれる。
優しく慈愛に満ちた蓮の言動に日々心を躍らせる由弦だったが、ある日、蓮には忘れられない長年の想い人がいることを知る。
その相手は土地神に嫁いだ人間で、なんと由弦に見目がそっくりらしい。
自分は身代わりとして蓮に気にかけてもらえただけ…。
その事実に由弦の胸は切なく震え、悲しみから神の庭を飛び出すが…?



【感想】
土地の守り神×神社の宮司の息子。

幼い頃に攻と出会い、宮司になり神社を守りたいと思うようになった受。
しかし、身体が弱い自分では無理なのでは…と夢を諦めかけた時、再び攻がその姿を現し……。

大人になっても酷い喘息に悩まされ、将来について思い悩む受。
静養のために招かれた神の庭園の光景は穏やかで美しいが、そこに暮らす獣人たちの嫌悪や敵意が読んでいて辛い。
人間にとっては400年も前のことでも、当時の被害者たちにとって『人間』はまだまだ生々しい記憶を思い起こさせる存在なんだろうな。
そんな中でも一途に受を慕うもふもふちびっ子のコハルが可愛かった。

攻が受に対して常に穏やかな態度で接していたので、彼から受への想いがイマイチ分かりにくく、求婚が唐突に感じられてしまった。
番外編でもいいから、攻視点も読んでみたかったな~。