『 政略結婚のはずだけど、実は愛されているらしい / 逢矢沙希 』 eロマンスロイヤル
【あらすじ】
代々対立している二大侯爵家の一人娘・ディアーヌと嫡男・イグニスは、ある日突然、王に結婚を命じられる。
イグニスは、実はディアーヌの初恋相手であったが、複雑な事情も絡み、嫌われていると感じていた。
だが、侯爵家の娘としてディアーヌは突然の王命に戸惑いながらも、弟・シリルのためイグニスとの婚姻を受け入れる。
自分を押し殺して初夜を迎えたディアーヌだったが、イグニスと夫婦としての生活を送る中で、自分を嫌っているはずの彼が、実は誰よりも自分を想ってくれていることに気づく。
ディアーヌとイグニスが心身ともに夫婦となっていく一方で、ディアーヌの従兄・ダミアンが、自らの歪んだ愛情のためある秘密を利用して、ディアーヌをその手に搦め捕ろうとする―。
2019eロマンスロイヤル大賞金賞受賞作!
【感想】
『エドワーズの気高き赤薔薇』と称される美しい侯爵令嬢×近衛騎士隊の副隊長でもある凛々しく精悍な侯爵家嫡男。
建国して間もなく仲違いをして以来、代々対立している家の長女と長男。
ある日国王に呼び出され、2人は結婚することになり……。
他の方の感想にもあるが、ヒーローが夫の鑑。
嫁と母親のどちらかを選ぶ必要があるなら、自分は嫁の側に立つと宣言。
両親がそうであったように、自分は妻と新たな家庭を作るのだ、と言い切った彼に惚れそうだった(笑)。
両家のいがみ合い、理由は忘れ去られてるのに200年も続いてるってのが凄いな。
そんな環境下で、自身も不安定な立場なのに姉のためにヒーローと手を結び、彼女を守ろうとしたヒロイン弟も将来有望。
どんな青年に育つのか楽しみだわ~。
ヒロインとヒーローとの恋愛(夫婦愛?)話だけでなく、婚家での嫁姑問題やらヒロイン従兄の横恋慕やら実家の後継問題やら……。
色々と盛りだくさんで読み応えのある1冊でした。
書店購入特典のSSペーパーは、寄宿学校に入ったヒロイン弟の“特別な日”のお話。