『 竜騎士は最愛を捧げる / 佐竹笙 』 角川ルビー文庫
【あらすじ】
竜を惹きつける匂いを持つために「竜殺し」と呼ばれる一族に生まれたリクは、病に倒れた母親を助けるために「竜狩り」に加担する。
だが竜の傷つく姿を目の当たりにし罪悪感にかられたリクは、竜の国に助けを呼びに行くことを決め、そこで騎士団隊長のアルヴィンに出会う。
母を看取れなかった後悔や孤独感から涙が溢れるリクを「自分を否定して、傷ついて泣くな」とアルヴィンは優しく受け止めてくれるが、アルヴィンに自身の出自を告白できないまま故郷に戻ることになり…?
【感想】
竜の住む国で最強の騎士団隊長×竜を惑わす香りを放つ青年。
母親の病を治したい一心で、『竜狩り』に手を貸してしまった受。
しかしその事を後悔した受は、囚われた竜を助けてもらうために竜の住む国を訪れて……。
スパダリ攻かと思いきや、受の言動に翻弄されて赤面したりアレがソレしたり、うっかり暴言を吐いたらブーメランとなって返ってきたりとなかなか残念な隊長さんでした。
ていうか、読友さんも書いてたけど、全裸で闊歩&魚類な受精に全部持っていかれましたわ……(笑)。
お気に入りの竜をべた褒めする受に、照れて顔を隠してる攻の挿し絵が可愛かった。
自分の足で立つことを知っている外から来たユニノの民は街でも暮らせるだろうけど、壁の外を知らずに生まれて育った人たちも自由に住む場所や伴侶を選べるようになるといいよね。
どんなに言葉を飾っても、壁で囲いユニノの民を養殖して自分たちの繁殖の道具にしてる事実は変わらないので、これを機に竜側の意識改革も進めて欲しいと思う。