日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 SCS ストーカー犯罪対策室 (下) / 五十嵐貴久 』 光文社文庫

【あらすじ】
白井有梨にメールを送り続けていたストーカーは死亡し、事態は解決したと思われた。
だが、「S」からのメールは止まらなかった。
死んだのは「S」ではなかったのか!?
依然正体のわからない「S」は、いったい何者なのか?
新たにSCSに加わった岸川は、有梨の事件に関して何かを調べているようだが…。
衝撃の真相まで一気読み!!


SCS ストーカー犯罪対策室 (下) (光文社文庫)

SCS ストーカー犯罪対策室 (下) (光文社文庫)

  • 作者:五十嵐 貴久
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2020/01/08
  • メディア: 文庫


【感想】
短編4つ。
最終話は主人公自身の話。

SCSのメンバーの誰もが怪しく見える話運びだったが、その相手が怪しく思える情報を誰が教えてくれたか……を意識して読んでいたので、“S”については目星をつけた人物で合っていた。
(いや、上巻では思いっきり騙されて大ハズレだったけど/笑)
でも、その辺を抜きにしても色々と問題あるよね、SCS。
この事件のあとも、当たり障りなく消極的に……な室長をトップに、(殴られた人がどうするかは分からないけど、)“S”が抜けて盗撮くんもいなくなってラストで主人公を救出した彼も去って……というガタガタ状態の対策室が続いていくんだろうか。

ちょっと気になったのが、上下巻通して、本来柔軟な思考で対応するべきSCSメンバーが、今回の体育教師の話や前回のアイドルの話にしても、若い女性には甘くて年寄り(老人ホームの話)には真剣に向き合わない……というような、先入観や固定観念にとらわれた言動をしていたところ。
まぁ実際のところ、被害者加害者両方の立ち位置から事件を見直して……なんてのは時間的にも人員的にも難しいだろうけども。
最終話のラスト3行からすると、まだ話を続けることも出来そうだから続きで彼らが成長する可能性もあるのかな。

話の本筋とは直接関係ないが、作中、某アイドルが海外で行方不明に……みたいなニュースが流れないかなぁ……とちょっと期待してしまった(笑)。