『 はなれがたいけもの / 八十庭たづ 』
【あらすじ】
戦争中の、一度きりの出会いと別れで終わらせたはずの関係だったが、ディリヤのお腹には子供が宿っていた。
王の子であることは秘密にして息子のアシュを一人で産み、育てていたディリヤの前に、ディリヤを探し求めていた雄が現れる!
WEB発獣人BLの傑作!
つがいの形。家族の形。
- 作者: 八十庭たづ,佐々木久美子
- 出版社/メーカー: リブレ
- 発売日: 2019/04/19
- メディア: 単行本
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【感想】
金狼族の王族×元兵士の人間。
かつて戦場で金狼族の王を暗殺するため抱かれたが、殺せず逃げた受。
その後、その王が死んだと噂が立ち戦争は終わり、一夜の契りで授かった狼の仔が受に宿る。
そして、あの夜から6年後……。
読友さんのレビュー買い。
徹夜で読み何度も泣いた。
2段組400ページ超というボリュームにも満足。
最初、受が心から惹かれた相手がすでに死んでいる……という所で心中複雑だったが、わりとすぐに、ん?これは……となるのでそこからは素直に楽しめた。
愛を知らないから愛せない、と悩み『責任』という名をつけた慈しみで大切に子どもを育てる受。
一見冷たく見える受の我が子への接し方には彼なりの理由があるし、何よりその愛も教えもしっかりアシュに伝わっているのがいい。
攻が初めてアシュをお風呂に入れる話で、受の口調で攻に教えを授ける(笑)アシュがめちゃかわだ!
アシュを守るためなら何だってするし、何でも与えたい受と、アシュだけでなく受の全ても受け止め愛してくれる攻。
愛が大きすぎて丘の上の家を丸々持ってきちゃうくらい、受とアシュを大事に思っている攻が本当にいい男だった。
2度目の出産を前に、不安定になっている受を全力で支える攻も良し。
土曜の夜~日曜の朝に一気読みして、ちょっと寝た後もっかい読み返しちゃったよ。
読メでこの本を知れてよかったわ!