日々感想。

映画・海外ドラマ・本などの感想(たまにネタばれ有)を綴っています。    ミステリ・ラノベ・BL・TL等ごちゃ混ぜなので、苦手な方はご注意ください。

『 灰と獣 / 手嶋サカリ 』 ショコラ文庫

【あらすじ】
人間と獣、両方の姿と本能を持つ“半獣”と“人間”との対立が激化する昼島。
バーテンダーとして働く狼の“半獣”・一灰は、そんな中でも島に帰ってくる“人間”で大学生の弟分・楓に、幼かった頃のように甘えられキスをねだられると突き放せずにいた。
ある日、天涯孤独の楓の両親を知るライターが現れる。
彼は一灰の母も犠牲となった二十年前の事故を調べているという。
だがそれ以後、楓の言動がおかしくなりはじめ…。


灰と獣 (ショコラ文庫)

灰と獣 (ショコラ文庫)


【感想】
赤ん坊の時に島に捨てられ、受に拾われた人間の子×半獣の暮らす島でバーテンダーとして働く狼の半獣。

人間と半獣が互いを蔑み諍う世界。
偏った情報や先入観による人間と半獣の対立や20年前の事故の真相など、事件色の濃い作品だった。

攻が受を好きなのは周囲にバレバレだったっぽいけど、20年間育ててきた攻をそういう目で見たくないという受の気持ちも分かる。
そんな受が想いを告げる……という見せ場で、名前の誤植により一灰が告白しているのを一灰がじっと見ているという不思議な構図に……。
いいシーンだったのにもったいないわ。。。

受の心にずっと引っ掛かっていた、母親の最期の吠え声が聞こえなかった理由が優しくて切なかった。